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2016年7月 2日 (土)

ボローニャでも美術館へ

私はどこに行っても、美術館に行かないと気がすまない。たぶん、昔長い間展覧会の仕事をしていたので、各地の美術館の所蔵する代表作を自分の目で見ておく癖がついたのだろう。美術展は、映画と違って見るのにかける時間を自分で決められるのもいい。

1999年にボローニャに行った時は、市庁舎の2Fに美術館があった。そこで企画展のジャコメッティと常設のジョルジョ・モランディを見た記憶がある。もちろん展示室は狭かったが、窓から見えるマッジョレ広場の風景が何とも気持ちが良かった。

さて今度はボローニャ美術館もできているし、モランディの家まで公開されているというではないか。空いた時間にモランディの家に行こうと思ってネットで調べると、数日前に事前予約が必要とのこと。そこでボローニャ美術館に出かけた。

ネットでは20時までと書かれていたが、17時半に着くと今日は18時で閉めると言う。さらにモランディのコレクションは前日から3日間展示替えで見られないと。受付の男性は、いかにも帰れという顔で感じが悪かったが、とりあえず所蔵品展だけでも見ることにした。

戦後のイタリア美術の流れを追う展示で、ルチオ・フォンタナらの「空間主義」、マリオ・メルツらの「アルテ・ポーヴェラ」と続く。イタリアを中心に活躍している長澤英俊の作品もあった。18時が近づいて、まさに追い立てられるように出た。

ホテルのそばには「展示宮殿」があり、そこではエドワード・ホッパーの個展をやっていた。入口には書いていないが、展示作品はすべてニューヨークのホィットニー美術館から来たもの。有名な都会の孤独な人々を描いた戦後の作品は少なかったが、1900年代にフランスで過ごし、印象派の強い影響のもとに描かれた絵画がたくさん見られたのはおもしろかった。

マッジョレ広場の地下では「LUMIERE!」と題したリュミエール兄弟の展覧会が開催中だった。これは復元映画祭に合わせたものだが、もともとは1年前に映画生誕120年記念でパリのグラン・パレでやっていたもの。

さすがにさまざまな映像を使った現代的展示がうまく、世界を駆け巡ったリュミエール兄弟の弟子たちが浮かび上がる。日本にも来たガブリエル・ヴェールのコーナーがあったのもよかった。

1点だけ気になったのは、日本で使われたというポスター。初めて見たが、こんなものは存在しない。よく見ると新聞記事とフランスのポスターをうまく組み合わせたフェイクのようだ。これは抗議しよう。カンヌを牛耳っているティエリー・フレモーはリュミエール研究所の総代表でこの展覧会の責任者だが、さて何と返事するかな。

そういえば、この展覧会は入口がわかりにくく、広場で探すのに20分。ようやく着くと、チケットは別の場所で売っていると言う。5分ほど先のボローニャ市観光局に行き、ワインツアーなどと同じ列に並ぶこと20分。暇そうな4人の受付のうち、お金を扱うのは1人のみ。さすがイタリア。

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