7月14日のこと
7月14日は日本では「パリ祭」と言う。フランスではle 14 juillet、つまり単なる「7月14日」。日本の呼び方は、おそらくルネ・クレール監督の映画"Le 14 juillet"(1931)の『パリ祭』という邦題が広がったものだと思う。
日本ではシャンソンを歌う「パリ祭」というものが、今でも行われている。ではフランスでは何が行われるのか。もちろんシャンソンのコンサートなどはない。そもそもこの日は完全に休日扱いで、かつてはお店は全部閉まっていた。日本の正月に近いか。
最近はスーパーなどは空いているところが増えたが、レストランの多くは閉まっている。では何をするのか。パリでは、シャンゼリゼで朝から軍隊の行進がある。31年前に行ったけれど、戦車などがだらだらと進むだけで実につまらなかった。
夜はエッフェル塔のコンサートと花火。コンサートはパリ国立管弦樂団が21時から始めるが、これも23時から始まる花火もテレビで放映する。東京湾の花火のようなものかもしれない。
エッフェル塔周辺は多くの地下鉄の駅や道路が封鎖される。私は行ったことがないのでわからないが、2、3駅手前で降りて見やすいところに陣取らないといけないらしい。花火はたったの30分だから、日本各地の花火に比べたらあっという間だろう。
イメージとしては、せめてダンスパーティがあるだろうと思うが、意外とない。少なくともパリで一番有名なのは、各区の消防署の構内を開放するパーティ。夜21時から朝の4時までだが、エッフェル塔の花火の後にみんな12時頃から集まるらしい。
実は私も今年初めて13区の消防署に行ってみた。22時頃だったが、それなりに賑わっていた。きちんとDJが入り、音楽も本格的。消防署員は制服で案内をしたり、アルコールを売ったり。若い女性が多かったので、ムードとしては消防署員の婚活パーティだろう。
ニースの惨劇は、翌朝日本からのメールで知った。ニースで花火が終わったところにトラックで突っ込んだというから、テロというよりはまるで日本にありそうな狂人の事件に思えた。
子どもが3人いたのに離婚した31歳の鬱屈したチュニジア人は、一年中でみんなが一番楽しんでいる時期、場所に合わせて自爆的に飛び込んだのだろう。これからは、ISなどの組織の応援がなくても、誰でもこんな騒ぎを起こすことができることが、みんなに知れ渡ってしまった。
ヨーロッパでは、これから数カ月ごとに各地でこうした惨事が生まれるのではないか。去年の11月のテロは「終わりの始まり」だったのかもしれない。
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