映画以外のベネチアの話:その(1)
今回のベネチアの最大の失敗は、ペットボトルをきちんと閉めずにバッグに入れて、中が水びだしになったことだろう。バッグの下がジメジメするなと思って中を見ると、小さなペットボトルの水がすべて外に出ていた。シャツも、ノートも、新聞もすべてしわくちゃ。
ノートがくちゃくちゃになったのは困った。とても書けないので慌ててノートを買いにスーパーに行った。赤い皮のバッグだったが、そこから水が染み出て白いTシャツが赤く染まった。これはすぐに洗ったが、なかなか取れない。この水漏れ事件で2時間は費やしてしまって、1本見られなかった。
この数年泊まっているのは、ホテル・バイロン。ベネチアにしては部屋が広い。去年はシングルより広いダブルにしたが、わずか5000円ほど足すだけで、かなり広い。今年はさらに5000円ほど足してスイートにしてみた。これが3部屋あり、キッチン付きで冷房もあって快適このうえない。洗濯機があれば、言うことはないが。
ホテルと言えば、長らく塩漬け状態にあったホテル・デ・バンの再開が決まった。アメリカ資本が入って来年にはオープンするらしい。あのホテルがあるだけで、ベネチア映画祭の価値が少し増す気がする。とにかく『ベニスに死す』の舞台なのだから。
今年の最大の変化は、前に書いた「ジャルディーニ館」の創設。施設面では、テロ対策か会場の四方に壁ができて、車は入りにくくなり、警備がしやすくなった。おかげでバスや船着き場が遠くなったと評判は悪い。いずれにしても、そういう予算があったということだ。そういえば、「ジャルディーニ館」にはトイレがない。いったん外に出て、カジノ前のトイレに行くしかない。
食べるのは、去年書いたように「ヴァレンチノ」と「アンドリ」と「アル・メルカ」を順番に繰り返す。リド島に住んでいる日本人と知り合い、「クリクリ」という地元客で賑わう店に連れて行ってもらったが、会場からホテルと反対方向なのが難点。
昼は主に、会場そばの公園のピザやセルフサービスに行く。ピザは目の前で焼いているのでかなりうまい。時間があれば、エクセルシオールの海水浴客が利用する海辺のセルフサービスへ。こちらの方がずっと味がいい。
どこもそうだが、どんなに50人並んでいてもレジは1人。だから並ぶだけで20分ということもザラ。これにだれも文句を言わない。これに慣れることがベネチアを楽しむコツだと言い聞かせているが、やはりいらいらする。
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