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2016年9月 4日 (日)

これで最後か、ベネチア映画祭:その(3)

朝8時からの上映というのはカンヌでもなかったが、今回ベネチアで始めて経験した。コンペのドニ・ヴィルヌーヴ監督「到着」Arrivalで、その上に会場は少し遠いPalaBienale。ホテルの朝食は7時半なので、リンゴだけ掴んで出た。

このカナダ生まれの監督は、『灼熱の魂』『プリズナーズ』『複製された男』とさまざまなジャンルの映画を手がけてきているが、今回は何と宇宙船が到来するSF。宇宙人と交流し、その言葉を理解しようとする言語学者をエイミー・アダムスとジェレミー・レナ―が演じる。彼らを指揮する司令官役がフォレスト・ウィテカー。

この映画の最大の魅力は、宇宙人の言葉だろう。5つ足で立ち、その一つから黒い煙のようなものを出す。それは円形になって、いろいろな形成し言葉となる。エイミー・アダムス演じるルイーズはそれをパターン化して何とか規則を見出そうとする。

それにあたっては、彼女がかつて娘を亡くしたという過去がキーワードになる。娘との会話をたどりながら、言語の原始的な形に挑む。しかし世界は対応をめぐって分断し、中国は武器の使用を決定する。

やはりこの監督らしく、追い詰められた人間の苦悩と解決がテーマ。未知の言語の解読という難しいテーマをよく映像化したと思う。

立て続けに見たコンペ作品もまたエイミー・アダムスが主演だった。デザイナーとして名高いトム・フォードの第2作「夜の動物たち」Nocturnal Animals。彼女が演じるのは画商として活躍するスーザンで、小説家の前夫エドワード(ジェイク・ギレンホール)から送られてきた本を読む。

それはエドワードが妻と娘2人を連れて運転する車が、3人の男に襲われて、妻も娘も殺されるというもの。その事件とその後のエドワードの復讐の物語、スーザンとエドワードの出会いの頃の物語、今の夫に不満なスーザンがエドワードと再会しようとする物語など全く異なる映像が同時進行する。

どのシーンもよくできているが、いったい何を言いたいのか全く見えないままに終わってしまった。魅力いっぱいなのだが。こんなヘンな映画もベネチアはアリということか。

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