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2016年10月

2016年10月31日 (月)

映画の合間に漱石について考える

映画祭会場の六本木の本屋でふと手に取ったのが、小森陽一著の文庫『漱石を読みなおす』。ここ数年、「朝日」の朝刊連載で漱石はいくつか再読したし、パリでもキンドルで少し読んだのでいいかなと思った。これは1995年に出た本の改訂版だが、今年が「漱石没後百年」を記念しての文庫化という。

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2016年10月30日 (日)

映画以外の東京国際映画祭の話:その(1)

いつの頃からかボランティアを雇い始めたのはいいことだが、彼らに任せてはいけない仕事もある。一番気になるのは、上映の前の和英での挨拶。どの作品でも同じ内容を話すだけだから、プロが録音して流せばいいはず。

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2016年10月29日 (土)

乗り気のしない東京国際映画祭:その(3)

コンペのフィリピン映画『ダイ・ビューティフル』が良かったので、「アジアの未来」部門のフィリピン映画『バードショット』を見た。ミカイル・レッドという今年35歳の監督の第2作で、前作『レコーダー 目撃者』がこの映画祭で上映されたようだが、見ていない。

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2016年10月28日 (金)

クラーナハの美女たち

何とも「ありがたい」ものを見た。国立西洋美術館の「クラーナハ 500年後の誘惑」展のことである。最近、カラヴァッジォ展とかボッティチェルリ展とかラファエロ展とか、私が展覧会屋をやっていた時には考えられなかったようなルネサンス期や17世紀の大個展が東京で開かれる。

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2016年10月27日 (木)

乗り気のしない東京国際映画祭:その(2)

そして、東京国際映画祭が始まった。例年、コンペの7、8割くらいとほかを3、4本見るが、今年はコンペをすべて見ることにした。実は朝日新聞のネットでやるという星取表に参加することにしたから。「朝日」購読者はわかると思うが、今年はやたらにこの映画祭の記事が多い。

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2016年10月26日 (水)

フィルム・アーカイブの仕事を考える

先日、フィルムセンターの講演会について書いたが、そこに勤める岡田秀則さんが『映画という《物体X》』という本を書いた。彼は最初の職場の同僚だったが、映画とフランス語という共通点があったこともあって、長いおつきあいをしている。

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2016年10月25日 (火)

『永い言い訳』への言い訳

西川美和監督の『永い言い訳』を劇場で見た。今年のカンヌでアスミックエースの方がブースにポスターを貼っていたのを見てから、見たいと思っていた。この監督の映画は、『ゆれる』以降はすべて見ているかもしれない。

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2016年10月24日 (月)

無声映画を語る人々

フィルムセンターに「無声映画遺産とアーカイブ」と題する講演会を聞きに行った。ユネスコの「世界視聴覚遺産の日」記念イベントと銘打ってある。大学で映画史を教えるからには、たまにはこういう真面目な講演を聞こうと思い立った。

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2016年10月23日 (日)

「結婚詐欺」と言われた村上春樹

もう一度だけ、村上春樹のエッセー『職業としての小説家』について書いておきたい。今では村上春樹と言えば、ノーベル賞候補だし、あまり批判する人はいないだろうが、かつては「多くの批評家から嫌われ、批判されてきた」と本人も書いている。

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2016年10月22日 (土)

其一から仙厓へ

最近、個人的に美術で一番惹かれるのは江戸時代のもの。残念ながら日本にいなくて春の若冲展は見られなかったが、帰国してサントリー美術館で鈴木其一展(10月30日まで)、出光美術館で仙厓展(11月13日まで)を見ることができた。

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2016年10月21日 (金)

パリは移動祝祭日:その(5)

朝方に、妙な夢を見た。私はパリのアパートにいて、マグリットの絵がパリ郊外のロバンソンに700点あるから見に来てくれと連絡があった。見に行ったら、そこはなぜか日本になったり、アメリカになったりした。

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2016年10月20日 (木)

日本映画事典が届いた

ここに何度か書いた、フランス初の日本映画事典が届いた。私はよく確認していなかったが、題名は Coffret L'Age d'Or du Cinema Japonais=「日本映画の黄金時代 1935-1975 ボックス」だった。そうか、最近の映画は扱っていないのかと、今頃になって知った。

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2016年10月19日 (水)

乗り気のしない東京国際映画祭:その(1)

また、東京国際映画祭が始まる。「映画祭評論家」としては行かねばならぬが、今年は乗り気がしない。理由は簡単で、この半年にカンヌ、ボローニャ、ロカルノ、ベネチアと映画祭に行ったから。復元した過去の作品を上映するボローニャは別として、ほかの3つでは30本前後も見た。

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2016年10月18日 (火)

『SCOOP!』を楽しむ

大根仁監督の『SCOOP!』を劇場で見た。『バクマン。』ほどの驚きはなかったが、相当に楽しんだ。このテレビ出身の監督は、現代の日本社会をエンタメとして撮らせたらピカ一ではないかと思う。

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2016年10月17日 (月)

村上春樹の自伝的エッセーを読む

気付かれた方もいると思うが、パリに滞在した半年間に、読んだ本のことは一度も書いていない。通勤というものがなかったし、地下鉄に乗っても落ち着いて本を読めなかったこともある。しかし実は時々、寝る前などにアマゾンのキンドルを使って読んでいた。

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2016年10月16日 (日)

生暖かい日本で:その(6)

日本に帰ってきて、とにかくラクだ。あらゆる場所で待つこともなく、生活の細部が気持ちよく機能している。そんな感じを表現するのに、「カンフォタブル」comfortableという英語を見つけた。先日の朝日新聞のインタビューで緒方貞子さんが使っていた。

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2016年10月15日 (土)

ヒッチコックからトリュフォーから黒沢清へ

『映画術 ヒッチコック トリュフォー』という分厚い本は、かつては映画ファンのバイブルだった。あのトリュフォーがヒッチコックに、各作品ごとに微に入り細に入り質問をして答えているから。学生の頃は、ヒッチコックの作品を見るごとに、関係するページを読んでいた。

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2016年10月14日 (金)

パリは移動祝祭日:その(4)

シネマテークでの座談会が「キネマ旬報」に載ると先日書いたけれど、実際に最新号を見てみたら展覧会「日本の銀幕」のことが中心で、上映については少し書かれていたが、座談会には全く触れられていなかった。確かに展覧会は来年6月までやっているので、その方が読者のためになる。

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2016年10月13日 (木)

ゴッホ、ゴーギャンから櫟野寺へ

空いた時間に、ふわりと上野に行った。ここは修学旅行生がいることもあって、平日でもいつも賑やかだ。まず見たのは東京都美術館の「ゴッホとゴーギャン展」。

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2016年10月12日 (水)

『オーバー・フェンス』の快い脱力感

山下敦弘監督の『オーバー・フェンス』を劇場で見た。佐藤泰志原作で熊切和嘉監督『海炭市叙景』と呉美保監督『そこのみにて光輝く』の次ぐ3部作という。実を言うとこれまでの2本があまり得意ではない。どちらも力作ながら、抒情過多で文学的すぎるように思えた。

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2016年10月11日 (火)

パリは移動祝祭日:その(3)

前回、シネマテークの座談会の話を書こうとして、パスカルさんの基調講演で終わってしまった。さて、その後の座談会に出席したのは、パリ日本文化会館映画担当のファブリス・アルデュイニさん、「カイエ・デュ・シネマ」誌などに日本映画について書くステファヌ・ドゥ・メスニルドさん、シネマテークのエミリー・コキーさんに私。

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2016年10月10日 (月)

『ハドソン川の奇跡』にうなる

クリント・イーストウッド監督の新作を必ず封切り時に見るようになったのは、いつ頃からだろうか。たぶん、2000年の『スペースカウボーイ』あたりからのような気がする。この頃からは「仕事の鬼」でなくなり、映画館にハリウッド映画を見に行くようになった。

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2016年10月 9日 (日)

実は懐かしくなかった角川映画

この夏パリにいた時、「角川映画40年」を記念して映画祭があったり、展覧会があったり、それが新聞やネットで話題になるのを、羨ましく思っていた。何となく、自分の若い頃の甘酸っぱい思い出が蘇る気がしたから。

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2016年10月 8日 (土)

生暖かい日本で:その(5)

日本に帰ってきて一番良かったと思うのは、実は朝日新聞の朝刊を広げる時。朝起きて、「ルモンド」より一回り大きくページも多い新聞を広げながらコーヒーを飲む快楽は、まさに何物にも代えがたい。

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2016年10月 7日 (金)

『皆さま、ごきげんよう』のわからない楽しさ

とにかく謎めいていて、わからない。だけどそれが楽しい。12月17日公開のオタール・イオセリアーニ監督『皆さま、ごきげんよう』を見て、そう思った。今回の新作は、何とフランス革命のギロチンのシーンから始まるのだから。

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2016年10月 6日 (木)

パリは移動祝祭日:その(2)

パリで帰国直前に出た座談会について、忘れないうちにメモしておきたい。帰国4日前の17日の土曜日、「フランスにおける日本映画 過去と現在」の題でシネマテーク・フランセーズで開催された。これは「日本の銀幕」Ecran Japonaisと銘打った展覧会と上映会の関連企画。

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2016年10月 5日 (水)

『君の名は。』の保守性

ようやく『君の名は。』を見た。とにかく中高生に人気らしく、興収200億円に迫る勢いという。教えている学生に「私でもわかるかな」と聞いたら「大丈夫です」というので、行ってみた。

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2016年10月 4日 (火)

生暖かい日本で:その(4)

先日、銀行のキャッシュ・カードでお金をおろそうとして、暗証番号を間違った。考えてみたら、半年間これでお金をおろしたことがなかった。このカードだけはほかのカードとは違う4ケタを使っていたのだが、それが思いつかない。

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2016年10月 3日 (月)

ルフ展と日本の近代美術

帰国して初めて見た展覧会は、竹橋の東京国立近代美術館の「トーマス・ルフ展」。この私と同世代のドイツの写真家の作品は、これまでにビエンナーレなど内外で見てきた。しかし一度もいいと思ったことはなかった。しかし大きな個展で見るとやはり違う。

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2016年10月 2日 (日)

『この世界の片隅に』の快い異物感

11月12日公開のアニメ『この世界の片隅に』の試写を見た。監督の片淵須直さんは知り合いということもあり、早く見たいと思った。劇場で流れている予告編も良かったし。

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2016年10月 1日 (土)

生暖かい日本で:その(3)

帰国後の健康診断に行ったら、3キロも体重が増えていた。おかしい。なぜパリで増えているのか。これまでなら3キロも増えるとズボンが苦しくなるが、それはない。運動不足か、ほかに原因があるのか。

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