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2016年11月

2016年11月30日 (水)

『コンビニ人間』の現代性

パリにいたこの夏に芥川賞で話題になっていたのが、村田沙耶香『コンビニ人間』。著者は長年コンビニに勤めており、受賞の発表の日も働いていたなどと報道されていた。すっかり忘れていたが、先日本屋で目にして買い、一気に読み終えた。

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2016年11月29日 (火)

多くを見ていた東京フィルメックス:その(3)

いつの間にかフィルメックスも終わり賞も発表されたので、いくつかの映画について触れておきたい。最優秀作品の中国の『よみがえりの樹』は既にここに書いたが、私には「スペシャル・メンション」と「観客賞」を撮った韓国の『私たち』の方がストレートに訴えかけてきた。

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2016年11月28日 (月)

突然、夏から冬へ

急に雪が降って、冬になった。その前の週までは昼間に20度になる日もあり、夏のようだった。特にフランスでは夏でも朝15度、昼25度くらいが普通だったので、9月末に帰国してからまた夏に戻った気がしていた。そしてフランスの夏くらいの気候が2ヵ月ほど続いた。

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2016年11月27日 (日)

『映画と移民』をめぐる私の勘違い

前に触れた板倉史明著『映画と移民』を読んだ。副題が「在米日系移民の映画受容とアイデンティティ」。前に書いたように、日系人や海外で生きた日本人の話が好きだから、おもしろいかと思った。

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2016年11月26日 (土)

多くを見ていた東京フィルメックス:その(2)

エドワード・ヤンの『タイペイ・ストーリー』(1985)に完全にやられた。90年ごろに見ていたはずだが、全く記憶になかった。今回のフィルム・ファウンデーションによる4K復元版が今年のボローニャ復元映画祭で上映されていたが、見逃していた。

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2016年11月25日 (金)

九州弁の話:その(2)

九州弁の話を書いたら、福岡の大学時代の友人2人からコメントが来た。1人は福岡南部でほぼ同郷だが、もう1人は佐賀出身なので方言はかなり違っていた。おもしろくなってきたので、もう少し書きたい。

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2016年11月24日 (木)

今度のジャック・リーチャーは?

フィルメックスに通い、まじめな映画ばかり見ていると、気が滅入る。というわけで、トム・クルーズの『ジャック・リーチャー Never Go Back』を見に行った。なぜか、トム・クルーズが両手を振って懸命に走る姿が好きだから。同世代ということもあるが、スタントを使わず自分で走り、運転する彼を妙に応援したくなる。

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2016年11月23日 (水)

多くを見ていた東京フィルメックス:その(1)

今年は東京国際映画祭もそうだったが、東京フィルメックスも既にカンヌやベネチアなどで見た作品が多い。特別招待作品は5本のうち4本を見ていたし、クラッシック部門も昔見たものを入れたら、5本のうち4本もある。さすがにコンペでは10本のうち1本だけだが。

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2016年11月22日 (火)

『海は燃えている』のシンプルな力

来年2月公開のイタリアのドキュメンタリー映画『海は燃えている』を見た。監督のジャンフランコ・ロージは、前作の『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』がベネチアで金獅子賞、今回はベルリンで金熊賞という話題の人だ。見てみると、前作よりもさらにシンプルな作りだった。

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2016年11月21日 (月)

九州弁の話:その(1)

東京に住んで、今年で30年になる。大学まで福岡で、卒業してから東京に住んでいる。最近は東京出身と思われるほど、私の話す言葉から九州弁のアクセントもなくなった。しかし、時おりふっと蘇る。

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2016年11月20日 (日)

『牝猫たち』の現代性

日活のロマンポルノ・リブートは、ロカルノで塩田明彦監督の『風に濡れた女』(12/17公開)を、最近試写で行定勲監督の『ジムノペディに乱れる』(11/26公開)を見た。どちらもロマンポルノという枠をうまく使ったユーモアあふれるメタポルノ映画だったので、来年1月14日公開の白石和彌監督の『牝猫たち』も見に行った。

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2016年11月19日 (土)

眠りについて:その(1)

最近、よく眠る。ここに何度か書いたように、自宅にいれば22時には寝る。目覚ましはあえてかけない。さすがに遅くとも6時半過ぎには起きるが、9時間近く寝たことになる。私はセカセカしているので忙しいと思われがちだが、ひま人でないと、こんなには寝ていられない。

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2016年11月18日 (金)

『湾生回家』に泣く

日系人もそうだが、海外に住んだ日本人の話が好きだ。だから始まったばかりの『湾生回家』という台湾のドキュメンタリーを劇場に見に行った。「湾生」とは日本の植民地時代の台湾で生まれ育った約20万人の日本人を指すという。

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2016年11月17日 (木)

なんでも禅に見えてくる

フランスでは、部屋の中に何も置いていなかったりすると「セ・トレ・ゼン!」(=実に禅だね)と言われる。あるいは黒と白のシンプルな服を着ている人にも言う。要は、無駄のないシンプルなものを指すテキトーな言葉だが、私の「禅」に対する理解もその程度。そこで、東京国立博物館に11月27日までの「禅」展を見に行った。

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2016年11月16日 (水)

トッド・ソロンズ描くアメリカのリアル

実はつい最近まで、あろうことかトッド・ソロンズとトッド・ヘインズをごっちゃにしていた。どちらも才能溢れるアメリカのアート系監督で性の問題を追及しているうえ、私と同世代。ところがヘインズの方はロマンチックな物語構築へ向かい(『キャロル』!)、ソロンズは病んだアメリカをブラックユーモアで見せる。

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2016年11月15日 (火)

非常勤講師ノスタルジア

新聞社を退職して今の大学に勤め始めて8年近くたつが、実は最初に大学で教えたのは20年ほど前だった。そんなことを思いだしたのは、先日ガレルの映画の試写会でその頃の教え子に久しぶりに会ったから。いやあ、懐かしい。

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2016年11月14日 (月)

ガレルは変わらない

フィリップ・ガレルの新作を見て、かつて私のとってのパリはこんなイメージだったと思い出した。来年1月21日に公開される『パリ、恋人たちの影』のことである。冒頭に、白黒の画面に無表情の青年が突っ立っている。金はなさそう。手に持ったパンをかじる。

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2016年11月13日 (日)

各紙の東京国際映画祭評に星を付ける?

かつて、ここで「新聞の映画評」評を何度か書いた。今回は東京国際映画祭のコンペを全部見たので、新聞各紙の総評を「総評」しようと思う。コンペの星取表をやっていたついでに、冗談半分で各紙に星をつけてみたい。

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2016年11月12日 (土)

ようやく『ダゲレオタイプの女』を見る

ようやく黒沢清監督の『ダゲレオタイプの女』を見た。10月半ばから、東京国際映画祭の試写を始めとして用事が立て込んでいた。気がついたら、公開が終わりに近づいていたので、劇場に駆け込んだ。もともと今年の5月のカンヌに出るかと思っていた。

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2016年11月11日 (金)

それでも飲まずにいられない

先日、若手映画研究者について書いたが、実は最後に「私は酒を飲む習慣がついたから、もうまじめな研究は無理」と書こうと思ってやめた。ここにも書いたが、高校生の頃に肝炎にかかったので、大学生の時はほとんど酒を飲まなかった。ところが働き始めて酒を飲むようになった。

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2016年11月10日 (木)

サティを映画に使うと

映画を作る学生には「エリック・サティの音楽は使うな」と言う。あの甘ったるい音楽が流れたとたんに、陳腐になるから。ところが今月27日公開の行定勲監督『ジムノペディに乱れる』は、それを全編に使っている。そしておもしろい。

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2016年11月 9日 (水)

若手映画研究者が続々

最近は、若手の映画研究者が一流の研究書をどんどん出版している。だいたい私より10歳以上も下の世代だ。もともと映画を単なる批評ではなく、研究対象として大学院で専攻できたのは早大だけだった。

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2016年11月 8日 (火)

ヨーロッパのグローバル化を日本で考える

朝日新聞に月に一度日曜日に挟み込まれる「GLOBE]という別刷りで、「グローバル化という「巨象」」という特集があった。普通この類の経済関係は読まないが、思わず読んだのはイタリアのことが細かく書かれていたから。

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2016年11月 7日 (月)

ボルタンスキーの音と沈黙に浸る

昔、作曲家の武満徹に『音、沈黙と測りあえるほどに』という本があった。私の本棚のどこかにあるはずだが、白金の東京都庭園美術館の「クリスチャン・ボルタンスキー」展を見て、急にこの題名を思い出した。この美術館は2年ほど前にリニューアル・オープンしてから、ずいぶんよくなった。

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2016年11月 6日 (日)

乗り気のしない東京国際映画祭:その(7)

さて、この映画祭については今日で終わりにしたい。今回コンペを初めて全部見てわかったのは、この映画祭は若手中心ということ。16本のうち、初長編が5本もあり、ほかも3本目から5本目くらい。確かディレクターの矢田部氏が邦画2本については、「新人の時期を過ぎ、次のステップを狙える監督」と言っていたはず。

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2016年11月 5日 (土)

映画以外の東京国際映画祭の話:その(2)

授賞式で最高賞のさくらグランプリを、審査委員長のジャン=ジャック・ベネックスではなく小池都知事が渡したと聞いて驚いた。審査をしていない者が渡すのは明らかにおかしいではない。そういえば、開幕式では安倍総理と経産大臣が挨拶していた。

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2016年11月 4日 (金)

乗り気のしない東京国際映画祭:その(6)

映画祭の最終日には、チケットを買って『アジア三面鏡:リフレクションズ』を見た。3人の監督のオムニバスだが、何といってもフィリピンのブリランテ・メンドーサ監督が日本のお金で撮ったらどうなるか、興味があった。

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2016年11月 3日 (木)

乗り気のしない東京国際映画祭:その(5)

昨日2本見て、コンペ16本をすべて見終わった。もちろんこれは始めてだが、全部見るとこの映画祭のコンペの狙っているところがわかる気がした。今日の午後2時から授賞式なので、その前に自分がいいと思った作品を中心に振り返っておきたい。

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2016年11月 2日 (水)

映画の合間に展覧会3本

東京国際映画祭で毎日のように映画を見ているが、2本の映画の間に2時間くらい時間があくと、美術展に行く。同じ視覚芸術でも、映画とは頭の働かせ方が全く違うので、いい刺激になるから。まず見たのは、森美術館で1月9日まで開催の「宇宙と美術展」。

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2016年11月 1日 (火)

乗り気のしない東京国際映画祭:その(4)

「乗り気がしない」と言いながら、朝日新聞デジタルの星取表のためにすべてのコンペ作品を見ている。考えてみたら、毎年ベネチアではコンペをすべて見ているが、この映画祭では初めて。5点満点で点を付け、150字の寸評を加えるが、点数は本当に難しい。

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