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2016年11月 2日 (水)

映画の合間に展覧会3本

東京国際映画祭で毎日のように映画を見ているが、2本の映画の間に2時間くらい時間があくと、美術展に行く。同じ視覚芸術でも、映画とは頭の働かせ方が全く違うので、いい刺激になるから。まず見たのは、森美術館で1月9日まで開催の「宇宙と美術展」。

まず冒頭に13~15世紀の曼陀羅がいくつも並ぶ。それから江戸時代の月面観測図や竹取物語絵巻。あるいはレオナルド・ダヴィンチやガリレオの手稿。その間に、時々宇宙を描く現代美術が混じる。そして月の隕石があったり、アポロの月面着陸の写真があったり、。

人間の誇大妄想的な宇宙への思考の跡をたどっていると、何だかどうでもよくなってきた。科学と美術がどうしてもかみ合わない。そうしたらチームラボのインスタレーションがあって、これは広い暗い空間に宇宙的な映像が360度前後左右に展開する。床に座り、疲れた目と体を休めるのにはよかった。

考えてみたら、「映画」は完全に排除されていた。メリエスの『月世界旅行』に始まって、『2001年宇宙の旅』や最近だとアニメ『かぐや姫の物語』など映画と宇宙の関係は深いのに。

副題に「かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」と書かれているが、全体としてスノッブな展覧会だと思った。スノッブと言えば、六本木に近い恵比寿の東京都写真美術館で11月13日までの「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展も似た印象を持った。

杉本の映画館や海や自然史博物館を撮った写真は、妙に惹かれるものがあった。ところが最近は能舞台や神社を作ったりして、よくわからない。今回の展示は3Fで奇妙なインスタレーションがあり、2Fはこれまでのような写真があった。

3Fはあちこちに鉄板があって、そこに拾ってきたような廃物が並ぶ。そして部屋ごとに手書きの文章が書かれている。「今日、世界は死んだ。もしかしたら昨日かもしれない」という始まりで、政治家や宇宙物理学者など33人の独白のような文章だ。

配布された資料で、それを書いたのが、平野啓一郎とか川村元気とか大半が有名人だとわかった。文章は杉本のようだが。それを知って、嫌な感じがした。だから何なのだと思った。

国立新美術館で12月12日までの「ダリ展」にも宇宙的な誇大妄想があったが、すべてがわざとらしい。実はたいした画家ではなかったのではないかと思いながら見た。六本木周辺にはスノビズムと妄想が渦巻いているようだ。

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