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2016年12月24日 (土)

カラフルな『七人の侍』?

京橋のフィルムセンターに1月29日まで開催の「戦後ドイツの映画ポスター」展を見に行った。チラシでカラフルな色合いの『七人の侍』ポスターを見てびっくりしたからだ。7階の展示室にはまず、常設展示がある。

ここで「明治の日本」の映像や、1936年の日本映画監督協会創立の写真などを見ていると嬉しくなる。それから後半が企画展で、今回は50年代後半から90年までの東西ドイツのポスターが並んでいる。つまり89年にドイツが統合されるまでということらしい。

赤や黄や緑で侍の絵具で影絵を重ねた『七人の侍』のポスターは、ハンス・ヒルマンというデザイナーの手による。この名前に気をつけて見ると、ブレッソンの『スリ』のポスターではコートのポケットから出る大きな手の写真を使った独創的なものがあった。

ゴダールの『女と男のいる舗道』では、青みがかった白をバックに、半分空いたチャックの写真。つまり、決まったパターンはなくて、作品のイメージを凝縮させて1点突破という感じ。『七人の侍』は個性溢れる侍たちが折り重なって戦う群像の動きを表現し、『スリ』は手の動きだけで犯行に及びスリの怖さを出し、『女と男のいる舗道』では半分空いたチャックで娼婦の人生を象徴させて見せる。

研究員の岡田秀則さんがニュースレターに書いていたように、この自由なポスターはATGに近い。粟津潔や横尾忠則などのデザイナーが大活躍している。同じポスターを世界の前衛的なデザイナーがどう作ったか比較する展覧会があったらおもしろいだろうなと思った。「世界のゴダール・ポスター展」とか楽しそうだ。

東ドイツのポスターになると、日本で公開されていない作品も多いため、なかなかピンと来ない。世界的に有名な作品が少なく、たぶん公開されなかったのだろうと思う。ポスターとしてはさらにアート的というか、絵画的というか。

ちょっと驚いたのはルイ・マルの『さよなら子供たち』のポスター。ピンクがかった白を背景に、上の左右に子供の手があり、釘が打たれているだけ。これは1989年のものなので、「西側」的な洗練が感じられる。

会場にはなぜか、1989年の東ベルリンから見たベルリンの壁とブランデンブルグ門の写真が2点あった。誰もいない無人の写真だけれど、壁の崩壊寸前の東側からの思いが妙に伝わってきて、なかなか良かった。

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