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2016年12月28日 (水)

わからない山本耀司展

世にも不思議な展覧会を見た。東京オペラシティアートギャラリーで3月12日まで開催の「画と機 山本耀司と朝倉優佳」。確か「朝日」の記事で、今年は三宅一生や山本耀司などの大御所の展覧会が目立ったと書かれていたから。

3月のパリに行く直前に見た三宅一生の展覧会は、彼のファッションデザイナーとしての歩みをたどるもので、見ごたえがあった。ところがこの展覧会は目が点になった。

そもそも「画と機」を何と読むのかわからない。どこにも読み仮名はないが、「がとき」か「えとはた」か。英語ではPainting and Weaving Oppotunityだから、「機」には「ハタ」と「キカイ」の2つの意味があるようだが。

入口の手前に手書きで「いつも手遅れ」と書かれている。これは少しはおかしいけれど。展示物にはパネルもキャプションもない。配られた一枚の図面で、その作品が山本のものか朝倉のものかが、かろうじてわかる。

そもそも、朝倉優佳が誰かわからない。どこにも書いていない。カタログをめくったがそこにも何も書かれていない。山本のパートナーなのかどうか。

作品を見ると、朝倉の絵画は現代美術としてある程度は力があるのがわかる。山本の描いたものは、自由な落書き程度。次の大きな部屋では、手前に山本の最新のファッションを、現代美術のインスタレーション風に並べている。

朝倉の描いたものの中に、山本の顔を思わせるものがいくつかある。どうも山本の崇拝者のように見えてきた。最初はファッションを一切見せない展覧会かと思ったが、後半にはかなり見せているし、よくわからない。

最後には山本について欧米で書かれた膨大な本やカタログが山積みになっており、「NOT FOR SALE」と書かれている。少しもおもしろくない。

2階の所蔵品展は、いつもながら見ごたえがある。舟越桂の大きなドローイングを何点も見ながら、お父さんの舟越保武のキリスト教的な彫刻を見ると、見事につながっている。あるいは長谷川潔の版画や小山田二郎の水彩画は何度見てもいい。相笠昌義という画家の作品は初めて見たが、ニューヨークやスペインの人々を描いた絵に強くひかれた。

家に帰って、朝倉優佳の名前を検索したら、山本が客員教授として教えている女子美の博士課程の学生だった。隠すことはないのに、何だかなあ。

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