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2016年12月23日 (金)

宗教はビジネスか:その(2)

島田裕巳氏の『新宗教ビジネス』について、もう少し書きたい。創価学会は「ブック・クラブ」型のビジネス・モデルと書いたが、そうであれば、最も重要な作者の池田大作氏には莫大な印税収入が入るはずだ。しかし、ここですごいのは、彼がそれをほとんど懐に入れていないことだ。

『人間革命』シリーズなどを出している聖教新聞社からは池田氏は一切印税をもらわず、潮出版社などほかの出版社からはもらうが、税金を払った残りは創価大学や東京富士美術館に寄付しているという。この精神は幹部にも徹底していて、本部職員の給与は大手企業並みでも、多くを出版物の購入や会員の勧誘、選挙活動などに使うようだ。

「幹部になることで金儲けができるなら、そこに利権が生まれ、利権争いが始まる。そうなれば、組織のなかで対立や抗争が起こり、ひいてはそれが分裂や分派に結びついてゆく可能性がある。創価学会はそうしたことが起こらないように予め防衛策を講じている。しかも、その防衛策は功を奏し、過去に分裂や分派を実際に起こしていないのである」

ほかの新宗教はすべて分裂しているようだ。確かに島田氏も書いているように、社会主義や共産主義の国がうまくいかなくなった最大の原因は、利権の集中にあった。「その意味では、創価学会という新宗教は、本来共産主義や社会主義がめざした組織のあり方を実現したといえる」

新聞や雑誌の販売以外に、「財務」と呼ばれる献金のシステムもあるようだ。これは毎年12月で目標は一世帯1万円だが、払えない会員もいれば数口を払う会員もいるらしい。要は会費ではない。

創価学会の「ブック・クラブ」型は、谷口雅春が「生長の家」で始めたもので、『生長の家』という雑誌を作り、『生命の實相』という単行本シリーズにした。生長の家は、私のイメージだと天皇崇拝の反左翼・反共産というものだが、実際にソ連が崩壊して以降は伸び悩んでいるらしい。

「ブック・クラブ」型以外にも、立正佼成会や天理教や金光教の「献金」型や阿含宗の「スーパー・コンビニ」型、真如苑の「家元制度」型の計4つに島田氏は分析している。しかし一番安定的な収入が得られるのは「ブック・クラブ」型のようだ。

考えてみたら、新聞社もある意味では「ブック・クラブ」型だ。「朝日」なり「読売」なりの世界観を毎日押し付けているのだから。これも「宗教」的な要素は十分にあると思う。

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コメント

生長の家はいま、憲法改正を急ぐ政党、安全保障法改正に賛成した政党に対する強い不支持を表明する宗教団体に変わっています。

投稿: 石飛徳樹 | 2016年12月24日 (土) 08時12分

調べたらそうでした。島田さんの本は2008年刊なので、もう古い部分もあるのですね。

投稿: 古賀太 | 2016年12月24日 (土) 08時51分

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