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2016年12月31日 (土)

年末に世界の映画を考える

今年は256本の映画をスクリーンで見た。そのうち166本はパリ滞在中だった。手帳を調べてみると、去年は230本で、2014年は251本だから、今年は少し多いくらい。

もちろんパリ滞在中にカンヌやロカルノ、ベネチアなどの映画祭にも行ったから、そこでたくさんの映画は見た。しかし今年の3月まではフランス行きの準備、9月末に帰国してからは経理の清算などバタバタで、映画どころではない日も多かった。

それでも日本ではまず見られない映画もたくさん見ることができたので、世界の映画の潮流のようなものを感じた年だった。今年のベスト5についてはWEBRONZAに書いたので、ご一読を。5本のリストを最初に書いたので無料で見られるし、日本でたぶん公開予定のない秀作のリストもつけた。

これを見ながら世界の映画の流れを考えると、やはりアジア映画の隆盛ぶりは際立っていると思う。まずは何といってもカンヌで『マ・ローザ』(ブリランテ・メンドーサ)、ベネチアで『去った女』(ラヴ・ディアス)がそれぞれコンペに出たフィリピン映画は群を抜いている。これに東京国際映画祭のコンペの『ダイ・ビューティフル』(ジョン・ロブレス・ラナ)とアジア部門の『バード・ショット』(ミカエル・レッド)の若手2本を加えたら、まさに豪華絢爛と言えよう。

リストには乗せなかったが、韓国映画も相変わらず好調。カンヌのコンペに出たパク・チャヌク監督『お嬢さん』、アウト・オブ・コンペの『哭声』(ナ・ホンジン)、『釜山行き』(ヨン・サンホ)など、どれも楽しめた。東京フィルメックスで見たユン・ガウンという女性の第一回監督作品『私たち』もなかなか。これらはすべて日本で来年公開予定。

中国映画は今年はあまり目立たなかったが、東京国際映画祭コンペのメイ・フォン監督『ミスター・ノー・プロブレム』、東京フィルメックスコンペでグランプリを撮ったチャン・ハンイ監督『よみがえりの樹』も、第一回作品ながらかなりのレベルだった。

あるいはシンガポール映画もカンヌの「ある視点」に出て東京国際映画祭でも上映されたブー・ユンファン監督の『見習い』や、パリで見たエリック・クー監督の『イン・ザ・ルーム』(ホテル・シンガプーラ)など、強く印象に残る。さらにタイの女性監督アノチャ・スウィチャコンポンの『暗くなる時』とか、ベトナムのファン・ダン・ジー監督『大親父と、小親父と、その他の話』(メコン・ストーリーズ)とか。

アジア映画について書いているとキリがないので、このへんでおしまい。よいお年を。

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