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2017年1月 8日 (日)

映画『おとなの事情』のリアルさ

今年、最初に見た試写は、3月18日公開のイタリアのパオロ・ジェノヴェーゼ監督『おとなの事情』。実はその時間にもっと有名な監督でスターの出る映画の試写を見るはずだったが、地下鉄の中で試写状を見たら、「妻の死後、夫はすべてを破壊する」というあらすじに見る気が失せた。

たまたまバッグの奥に見つけたのが、同じ時間のこちらのイタリア映画の試写状。よくある、イタリア国内で大ヒットしたおバカな喜劇のように見えたので、見たくなった。

昔、イタリア映画祭をやっていたのでイタリア映画通のつもりだが、パオロ・ジェノヴェーゼという監督の名前を見て、『イタリア的、恋愛マニュアル』の監督だと勘違いした。見終わってタッチが違うなと確認したら、そちらはジョヴァンニ・ヴェロネージだった。

いずれにしても、中年カップルたちを描く群像喜劇であることは、同じ。設定としては40歳前後だろうか。3組の男女と1人の男性が、そのうちの2人の家に集まって夕食をする。そこで、誰かがスマホからの連絡をみんなに公開しようと言い出し、電話やメッセージでスマホが動くごとに全員でそれを聞いたり見たりする。

そこから7人の知られざるドラマが始まる。17歳の娘が彼氏の家に泊まろうとしているのが明らかになったり、その母の豊胸手術の予定がバレたりまではいいが、いろんなレベルのウソや裏切りや不倫がわかってきて、ヤバイ雰囲気になる。

たぶん映画が始まって10分ほどでスマホの公開ゲームが始まる。それからほぼ10分おきにスマホが鳴り、新たな真実が暴露される。もちろん、その内容はどんどんエスカレートしてゆく。例えばスマホの向こうの知らない男の指示に従ってノーパンだった女性がいたりとか。

7人の中には相当の悪者もいるし、中くらいもいるし、実は極めて誠実な者もいる。みんなで大騒ぎする場面もあれば、しんみりとするシーンもある。96分の短めの映画だが、最後までするすると見てしまう。

イタリアで大ヒットしたらしいが、日本ではどうだろうか。スマホの秘密というのは日本でもみんなにあると思うが、それをいささか露悪的にかつシビアに描くドラマは、意外に難しいかもしれない。

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