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2017年1月31日 (火)

映画のデジタル保存を考える

先日、京橋のフィルムセンターで「映画におけるデジタル保存と活用のためのシンポジウム」が2日間開かれた。何とか時間を見つけて2日目のみ参加したが、いろいろ考えることが多かった。

配布資料を見ながら、1日目の部分も含めてまとめてみたい。

まず、フィルムはマスターネガ(あるいはそのデュープ・コピーや上映用ポジ)を保存すれば、100年以上変化しないことは実証済みである。デジタルとなるとさまざまなデータが存在し、どれを残すのかはまだ決まっていない。

外国でも国によって違うようだ。アメリカの議会図書館ではデジタル映画は上映用のDCPを保存し、フィルムなどのアナログメディアはメディアそのものと同時にJPEG2000への返還をして残す。オーストラリアやオランダではDCP前のデジタルソースマスターも保存するらしい。

驚くべきはフランスで、2015年9月からデジタル素材をフィルムに変換する費用を国が負担して強制的に納品させているようだ。つまりデジタルをフィルム化して保存する。

オランダやイギリスでは、むしろ現在あるフィルム素材をデジタル化して国民に開放することに力を入れているようだ。確かに今ではDVDやブルーレイ化される著名な作品を除くとフィルムのままで、大半の映画館では見ることができなくなった。

著作権が切れた作品(日本で普通は1953年まで)についてはどんどんネットで公開すればいいと思うが、映画音楽の著作権が残っている場合もあるらしい。あるいは黒澤明やチャップリン作品のような例外もある。

とりあえず、映画保存の予算が外国に比べて極端に少ない日本では、まずはデジタル素材をできたらDCPよりも前のマスター素材で保存していくことが大事なのだろう。それにしてもその素材を再生する機械が製造されなくなったらと考えると、たぶん10年に一度くらいデータの移し替えが必要になるだろう。

NHKでは、そのために毎回10億円を越す経費がかかっていると聞いたことがある。そうするとフィルムに変換して保存するというフランス式は、意外に経済的なのかもしれない。現にハリウッドのメジャーでは富士フィルム製の保存用三色分解フィルムを使っているというし。そこまででしなくても、普通のポジをデジタルから1本作るだけでいいのではないか。

今回は本当に知らないことを書いたので、関係者のコメントがあればぜひ。どうでもいいことだが、会場ではランチマップが配られていた。その裏には、何とインド系と非インド系に色分けされたカレー店の詳細なマップが。フィルムセンターも変わった。

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