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2017年2月27日 (月)

定年の話

昔、定年は55歳だったというのはよく聞く。ネットで調べてみると、定年が60歳になったのは1980年。だから昔なら私も既に定年だ。定年というと、2つの風景を思い出す。

1つは最初の職場。毎年3月末のある日の夕方、講堂で全職員が集まり、退職する2、3人が前に出て花束をもらい、挨拶をする。みんなニコニコして「いい職場だった」というようなことを言った。当時、「いったい、どこがいい職場か」と思った記憶がある。私にとっては、虚飾に満ちた環境だった。

2つ目は新聞社。こちらは民間なので、60歳の誕生日に退職となる。だから1人だけ。辞める人が夕方に職場を回り、頭を下げて出てゆく。簡単な花束贈呈をすることも多かった。いずれにしても、退職者が出てゆく時にはみんなが拍手をした。

1人なので、その時の様子は各人各様。一番覚えているのは、工場勤務の後に庶務で勤めていた男性のこと。職場を一巡することもなく、突然大きな声で「あばよー!こんなところ、2度と来ないからなー」と叫んだ後に、泣きながら走って出て行った。みんな唖然として、顔を見合わせていた。

今の大学では、誕生日に近い日付の教授会で挨拶をするのがしきたりのようだ。大学の研究室は個室なので、そこを「去る儀式」は特になさそう。それなりの宴会はあるだろうが。

企業や役所だと今は60歳が定年だが、数年前から年金が出ないので65歳まで再雇用になった。しかし60歳で辞める人もいるそうだ。そうすると、「お別れ」はいつになるのか。

私が大学に移る時には、間に入った先生に「定年は65歳ですが、普通は70歳まで延長です」と言われた。ところが2、3年前に延長がなくなった。「再雇用」という形ができたが、これもいつまで続くとも思えない。「約束が違うじゃないか」と言いたくもあるが、大学の経営の問題でその先生に罪はない。

自営業や個人経営の経営者には定年がない。これは羨ましい。私の目標は、できるだけ早く大学を辞めても食べられるようになること。映画関係の先生でも四方田犬彦さんや松浦寿輝さんや加藤幹郎さんはそうしているが、とても彼らのような文筆の才能はないので、別のパターンを考えなくてはと思っている。これについてはアイデアはあるが、後日(時間がかかりそう)。

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