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2017年2月28日 (火)

『相棒 劇場版Ⅳ』に考える

実は最近、映画を東宝系のシネコンで見ることが多くなった。理由はいろいろだが、新宿や日本橋や六本木の東宝の方が、新宿ピカデリーやバルト9よりも見やすい、行きやすいのがまず第一。エレベーターが1つしかないピカデリーは最悪。マイレージが6回分溜まると無料になるのもいい。

そんなわけで、東映製作・配給の『相棒 劇場版Ⅳ』を東宝系のシネコンで見てしまった。驚いたのは、その客層。中年の夫婦や女性グループが多いが、みんなおそろしくダサい。まるでお茶の間からそのまま来たような格好で、お菓子まで持参している。

もちろんテレビの映画版だから、まさにお茶の間の視聴者が来ているのだろう。先日、同じ映画館でスコセッシの『沈黙-サイレンス-』を見た時は客層がまるで違う。あの映画では全体にもっと若く、お洒落で少しインテリ風だったし、男性率も高かった。

この「おばさん」たちは話し声が多いのではとちょっと心配になったが、それはなかった。途中でトイレに立つ人はいたけれども。それはたぶん映画が全く退屈しないようにできていたから。すべてが明快でわかりやすいうえに、終盤にあっと驚くサプライズも出てくる。

基本は、警視庁内で煙たがられている特命係の杉下右京(水谷豊)と「相棒」の冠城亘(反町隆史)が難事件を解決するというパターン。今回は、7年前の英国の日本大使館内で起きた集団殺人事件で連れ去られた少女の行方を探すうちに、東京で計画されている大規模なテロ計画が浮かびあがるというもの。

そこに第二次大戦中に置き去りにされた日本人の孤児の物語というメロドラマが加わり、現在の日本の虚構の繁栄を問いただす。7年前の事件はかなり作り物のようだし、孤児の話に至っては遮二無二という気もしたが、そこを水谷豊を中心とした俳優たちのユーモアとヒューマニズムで何とか持ってゆく。

国連犯罪情報事務局・元理事役で後半に豹変する鹿賀丈史や犯罪組織を率いる謎の“黒衣の男”役の北村一輝がなかなかリアルなのもいい。北村が駐英日本大使を非難するくだりは妙に共感した。実際は、大使はあのような判断を独自に下すことはできないけれど。

銀座のスポーツ選手のパレードは、銀座で撮っていないのが明らかだったが残念。クレジットを見ていると、札幌の撮影か。それに同じカットを使い過ぎに見えた。そこでの銃撃戦はなかなかだったが。

テレビのシリーズを見ていれば何倍もおもしろいのだろうが、全く知らない私にも6回分の無料チケットで見る分にはいい気分転換になった。とりわけ最近は入試そのほかの雑用疲労が溜まっていたので。

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