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2017年2月22日 (水)

『ホワイトリリー』の生真面目さ

入試の合間に、中田秀夫監督の『ホワイトリリー』を劇場で見た。ロマンポルノリブートの5本目だが、レズの話を中田監督がどう扱うのか、興味がわいた。

結果としては、なかなかおもしろかった。今回のシリーズでは一番シリアスな感じで、全体に昼メロのような恥ずかしいほどの生真面目さが漂う。

物語は、40歳前後の陶芸家の美女でテレビなどにも出演するセレブの登紀子(山口香緒里)と同居する若いアシスタントのはるか(飛鳥凛)の関係を描く。2人は愛し合っているが、登紀子は男性にも興味があり、時折男を連れ込む。

そこにやってきたのが陶芸家の息子の悟(町井祥真)で、登紀子は彼を溺愛し、一緒にそこに住ませたことから、はるかの怒りは爆発。さらに悟の恋人までやってきて、大混乱。

登紀子のかつての恋人の男性の記憶なども含めて、いかにもできすぎた話ではある。それでも嫌ではないのは、女性たちにリアリティがあるからだと思う。とりわけ山口香緒里の、中年に差し掛かったセレブで強気な美人の感じがいかにもありそう。

そのうえ、アル中で場合によっては男性にも興味を持つあたりがいい。悟に向かって「いい体しているわね」という時の声がうわずっている。それに嫉妬するはるか。

映画は、最後に半年後を写す。そこで観客ははるかの成長を知り、実に晴れがましい気持ちになる。この部分は明らかに女性のための映画になっている。

結局、ロマンポルノのリブート・プロジェクトを5本全部見てしまった。『アンチポルノ』以外はそれぞれにおもしろかったが、個人的には『牝猫たち』が一番好きだった。HPを見ていておもしろいことに気がついた。中田秀夫、塩田明彦、園子温の3人が私と同じ1961年生まれということ。だからどうということはないけれど。

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