フランスのクリーニング屋に勝つ
去年の今日、パリに着いた。その1周年記念ではないが、最近、パリ滞在中の懸案が一つ解決したので書く。パリから帰国直前に、クリーニング屋で好きな白シャツに大きな黒のシミをつけられた話はここに書いた。その後日談である。
8月20日に預けたが、取りに行くと通常は2日で仕上がるのにできていない。10日ほどたって3度目に行った時にようやく「実は」と打ち明けられた。店としては20ユーロまでは払うと言うので、「冗談じゃない、これは200ユーロのシャツだ」と叫んだ。するとある番号を渡されて「電話してください」。後日電話すると責任者が出てきて、「店に書類を用意しておくので、書き込んで欲しい」
書類と同時に私は自分で経緯を書いた抗議書を作り、店舗の女性に遮二無二サインさせた。そして抗議書の写しとシミ入りのシャツの写真を、ネットでお客様窓口を調べてメールで送った。「5 a Sec」というチェーンで、本社はスイスの国際企業だった。
ロカルノ映画祭の原稿を書き、8月末からベネチアに行って帰ってくるともう帰国。友人のアドバイスに従って先方には帰国すると言わずに、住所は友人宅にしていたが、10月半ばにそこに手紙が届いた。シャツを買った領収書を送ってもらえたら、規定に従って賠償すると書かれていた。
こちらは帰国するとすぐ授業だったので、領収書を探す余裕はない。冬休みになって、ようやく領収書を探した。「2016年の始めに日本で買った約200ユーロのシャツ」と書類に書いていたから、その時期の2万円強の領収書が必要だが、適当なものはなかった。
結局、その日本製シャツのブランドのHPのアドレスをつけて、「領収書はなくしたが、だいたい200ユーロだとわかると思う」と書いてメールで送った。すると1月半ばに友人宅に「弁償として143.20ユーロを払うがどうか」という手紙が届いた。「領収書がないので7割とし、クリーニング代の3.30ユーロを足す」
いくらかもわからないシャツに約1万5千円を払うというのだからいいかと思って、「提案を受け入れる。日本の口座に振り込んで欲しい」とメールを書いた。すると今月になって、国際送金手数料も引かれずにちゃんと振り込まれていた。本当は3、4年前に買ったシャツだし、まあ勝利だろう。
結局、半年もかかってようやく解決した。ここに書いているように、私は企業(特に大手)に文句がある時はどこまでも意見を通す、いわゆるクレイマーだ。これまで東芝とか西武+コーチ・ジャパンとかKLMジャパンとか。フランス(スイス?)企業に対しても、パリに住む外国人の立場で仏語で押し通して勝ったのは少し嬉しかった。
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