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2017年3月30日 (木)

神楽坂の中華『エンジン』に通う

2年ほど前にできた中華『エンジン』は赤坂の名店『うずまき』のシェフが独立した店として有名だったが、なかなか予約が取れなかった。家も近いので行きたいと思っていたが、春休みになって送別会で早めに予約して行ってみた。

ここも荒木町の「遊猿」と「の弥七」のような日本の食材を自由に使った新しい中華だが、この2軒の中間というところか。「遊猿」の中華らしい豪快さと「弥の七」の和食に学ぶ繊細さの両方がある。コースでないのもいい。

豪快なのは、何と言っても名物の黒酢の酢豚。こってりした甘酸っぱいソースに、揚げた豚肉の食感が抜群。おこげがついてくるので、余った黒酢につけて食べるのも絶妙。それから香味スペアリブも香草いっぱいの柔らかいスペアリブにパン粉がついていて、ビールにあう。フキノトウとうどの春捲もいかにも春らしい。

このあたりは「遊猿」を思わせるが、「遊猿」に行った時にそこのシェフは「エンジン」にいたと友人に聞いたのを思い出した。しかし、すみいかとアボガドの和え物とか菜の花と干し芋の炒めとかホワイトアスパラとキンカンとかを食べると、ほとんど創作和食というところ。

シメで取った鯛とセリと大葉の炒飯は、ほぐした鯛の身がおいしくて、やはり和食のよう。中華の調理法や香辛料に自由に日本の食材を合わせている感じか。しかしすみいかとアボガドのように、全く中華らしさのないメニューもある。値段は料理だけでひとり5000円弱だから、「遊猿」とほぼ同じ。

家に近いので昼にも行ってみた。1800円のミニコースのメインが黒酢の酢豚だったので、1100円の担々麺にしてみた。前菜として、カシューナッツ・ソース付きのカツオのたたきが出たのに驚く。担々麺は麺は細くそうめんのようで、スープは少し味噌味もあって、かなり和風に寄っていた。

担々麺ならば、近くの「膳楽房」の昼で出す950円のものの方が好きだと思った。普通に辛いうえに、いくつもの香辛料が混じっていて味わい深い。

同じ地区にはさらにオーソドックスな四川料理の「芝蘭」(ちーらん)がある。ここの頂点麻婆豆腐の四川の山椒は、舌が痺れるほどに強烈でうまい。「遊猿」や「弥の七」と「エンジン」は若いシェフ、「膳楽房」は若い日本人と台湾人シェフが2人、「芝蘭」のシェフは見たことがないが、たぶん年配の日本人ではないか。

年末に行った青山の「ミモザ」は、若いシェフだがオーソドックスな上海料理。新宿の「シェフス」にいたシェフと聞いて納得。「シェフス」と同様、少し高めだがいい食材を思い切り使って軽く仕上げた感じか。

どちらにしても、もともと奥の深い中華料理の日本型バリエーションは、今の日本のグルメの最先端かもしれない。

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