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2017年3月14日 (火)

『ひるね姫』の描く近未来

最近は何かとアニメが話題なので、3月18日公開の神山健治監督『ひるね姫』を見に行った。2020年のオリンピック直前が舞台という近未来で、神山監督が原作・脚本も手がけているオリジナルアニメというのが気になった。

つまり、今のアニメを担う1人である神山健治がオリジナルで4年後をどう描くのかに関心があったが、結果はかなり興味深かった。

主人公は、岡山の倉敷で自動車工場を経営する父と2人で暮らす女子高校生ココネ。冒頭から彼女の夢が出てくるが、彼女は昼寝をしては同じ内容の不思議な同じ夢を見る。

その夢で自分は機械の国ハートランドの姫君エンシェンで、父の王様は街を壊しに来る怪物を倒すために、ロボットを駆使する。おかしいのはこの夢が未来のようで、ずいぶん古めかしいこと。王様は昔のヨーロッパの王族のような格好をしているし、人々が一斉に車で動く様子は高度成長期のよう。

なんとなくフリッツ・ラングの『メトロポリス』を思わせるようなちょっとアナクロな都会や大衆のイメージで、ロボットを動かすのに何と数人が必死で自転車を漕ぐ。この国ではエンシェンは魔法を使えるので、ココネは現実の世界でも夢を見て魔法を使おうとするが、次第にエンシェンの本当の姿が明らかになる。

現実の世界でもココネの亡くなった母は実は……という秘密があり、一種の貴種流離譚であることが明らかになってくる。ここでココネやその父や祖父が実現しようとするのが、完全自動運転の自動車であるのも興味深い。東京オリンピックでは選手たちがそれを使う。

ココネや父の持つスマホやタブレットが大きな役割を果たす。自動運転の秘密データはタブレットに隠されていて、その争奪戦がドラマになるのだから。

個人的にはあまり心は動かされなかったが、地方の素直な普通の女の子が夢見るシンデレラ物語でもあるので、若い人にはウケるのだろうか。それにしても完全自動運転を東京オリンピックで見せることがなぜそんなに重要なのか、大きな謎だった。

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