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2017年3月18日 (土)

『チア☆ダン』に涙する

予告編で見て、もうたくさんという映画がある。実は『チア☆ダン』がそうだった。ところが「朝日」で絶賛の映画評が出ていたので、劇場に見に行った。そのうえ、河合勇人監督は私が教えている大学の出身らしい。私にも少しは愛校心が生まれてきたようだ。

これが、見ているうちに後半泣いてしまった。このコテコテの感動の涙は、最近だと『ビリギャル』に近い。映画の副題が「女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」で、まさにそのままの映画。

この長い説明調はどこかで見たと思ったら、『ビリギャル』の「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」だった。共にTBSの企画だから「柳の下」か。

演出としては、『ビリギャル』ほど洗練されていない。とりわけ前半のゆるいギャグの連続などを見て、これはダメかなと思ったくらい。ところがだんだん盛り上がってくる。

高校に入学した新入生が、チアダンス部に集まってくる。そこの女性の鬼コーチに「踊ってみて」と言われて、10名ほどが躍る。3人はどうにかなるが、多くは話にならない。

それから退部する者が出たりもするが、少しずつ上達し、県大会へ出る。そこでは最下位に終わるが、2年目では優勝して全国大会に出て、3年目では全国大会で優勝してロスの世界大会へ。

うまいのは、最初にヘタな踊りを見せた後は2年目や3年目の国内の試合は見せずに、むしろ選手たちやコーチの葛藤を描く。そして突然世界大会で驚異的な演技をたっぷりと見せる。

笑顔が取り柄の主人公ひかりを演じる広瀬すずが抜群にいい。ちょっと野暮だが底抜けに明るく全体をまとめる役にぴったり。美人の部長役の中条あやみやヒップホップが得意で孤独な女の子役の山崎紘菜らとのバランスが絶妙。

ちょっと中年にさしかかったイタイ鬼コーチを演じる天海祐希は、その三枚目加減がいい。福井が舞台だが、いかにも地方にいそうな熱血教師を堂々と演じる。

終盤、コーチがひかりや部長に最後の指示を与えるシーンには泣いてしまった。こういう場面では音楽を絞り、アップできちんと表情の変化を捉えている。

上映後も泣いている客が多かった。『ビリギャル』ほどではないが、一見の価値あり。

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