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2017年4月 4日 (火)

『キングコング 骸骨島の巨神』を楽しむ

『キングコング 骸骨島の巨神』を劇場で見て、ずいぶん楽しんだ。全体は軽いノリで進みながらも、そこにはさまざまな歴史が埋め込まれていたし、登場人物も生き生きとしていた。何よりキングコングを始めとして怪獣同士の戦いが抜群だった。

物語は1944年に始まる。そこで1人の日本兵と米兵が銃撃戦の末にパラシュートで逃げ出し、地上でも戦うがそこにキングコングが現れる。めまぐるしく時代が移り、1973年がこの映画の舞台となる。モンスターを調査する学者たちに、ベトナム戦争が終わって帰国間際の一部隊が警護として付くことになる。

そこで島にたどり着くと、キングコングが登場し、さらに謎の先住民族がぞろりと現れる。そこにいたのは第二次世界大戦の生き残り米兵(ジョン・C・ライリー)で、彼にキングコングは実は見方だと説明される。それでも隊長のパッカードは、キングコングもほかの怪獣も皆殺しにしようと突っ走る。

第二次世界大戦の記憶にベトナム戦争が加わり、さらに『地獄の黙示録』も思わせる。その重厚なはずの内容が、レコードから聞こえる70年代の明るいポップスと共にパラパラ漫画のようにどんどん展開する。ヘビ、クモ、コウモり、タコなどの巨大な怪物が次々に現れ、どれも怖いが嫌な感じを与えない。

元英国の秘密部隊のコンラッド(トム・ヒドルストン)と反戦カメラマンのブリー・ラーソンを中心に、鬼軍曹のようなパッカード大佐を演じるサミュエル・L・ジャクソンなどの芸達者がそれぞれの持ち味を見せ、多くの人々があっけなく死んでゆき、残った数名が帰国できるかどうかのラストに向かってゆく。

今年33歳になるジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督の初メジャー映画というが、その映画、歴史、怪獣ものにわたるオタクぶりはたいしたもので、すべてを詰め込んで器用にまとめあげた。こんな若い監督にこれだけの大作を任せるところがすごい。

あえて言えば同行する中国人女性科学者のサン(ジン・ティエン)が、可愛いだけで完全に浮いていた。映画に中国資本が加わっているので中国人が必要なのはわかるが、物語としては、例えば父母が収容所にいた日系人科学者の方がずっとよかった。

最近のアメリカの娯楽映画としては、一番の出来ではないか。あまり見ていないけど。

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