« 永田雅一にハマる:その(4) | トップページ | 田中眞紀子『父と私』に失望 »

2017年4月22日 (土)

『パトリオット・デイ』に考える

ふだん、アメリカ映画の大作は試写で見ない。そもそも私に試写状が来るのは、邦洋ともにアート系が多い。つまりはメジャーに相手にされていないのだが、この映画は大作なのに配給が米メジャーではなくキノフィルムズだから試写状が来た。

監督のピーター・バーグは『ローン・サバイバー』がなかなかの出来だったし、『パトリオット・デイ』の予告編もよかったので、見に行ってみた。

映画は2013年4月15日にボストン・マラソンのゴール付近で起きたテロ事件の捜査の4日間を描いたもので、『ローン・サバイバー』と同じタイプの、数年前の事件を見せる実話サスペンスもの。前日から刑事や後に被害者となる人々を点描のように追いかけ、事件とその後をアクションたっぷりに見せる。

犯人らしき男たちも前日から写るし、彼らの犯行の現場も見えるので、その意味でのサスペンスはない。しかし、膨大な監視カメラの映像や一般から寄せられた映像から犯人を割り出し、彼らに迫ってゆく過程がこの映画のドラマとなる。

本当の見せ場は、犯人が見つかってから。彼らは大量の武器を持っており、2、3人の警官が攻撃しても逆に反撃にあってしまう。そして犯人の1人は車を捨てて逃げ、姿をくらます。マサチューセッツ州知事は、ボストン市内に戒厳令波の外出禁止令を出し、町中を警察が探し回る。

前半のテロ発生直後までの40分ほどは、目まぐるしく映像が移り変わる。事件当時に監視カメラやスマホで撮られた映像や、マラソン開催日に数年後に撮影された映像も加わっていて、本当にドキュメンタリーのよう。それから中盤以降は、地元の警察とFBIとの確執や捜査の停滞も含めて見ていてイライラするドラマ展開。

ラストは例によって、実際の刑事や被害者などが出てくる。この場面が普通の映画よりもずいぶん長いので、なんとなく「アメリカの正義」を押し付けられた気分にならなくもない。

数年前の事件、というより事件の解決を描いたドラマとしては、たぶん完璧かもしれない。2時間13分はあっという間にすぎる。しかし私のようなへそ曲がりは、少し引いてしまった。


|

« 永田雅一にハマる:その(4) | トップページ | 田中眞紀子『父と私』に失望 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/65169591

この記事へのトラックバック一覧です: 『パトリオット・デイ』に考える:

« 永田雅一にハマる:その(4) | トップページ | 田中眞紀子『父と私』に失望 »