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2017年6月 2日 (金)

『美しい星』の不思議な魅力

予告編が気になったので、『美しい星』を見た。『桐島、部活やめるってよ』や『紙の月』の吉田大八監督の新作でもあるし。この2本と同じく、やはり才気煥発の演出だが、今回の三島由紀夫原作の物語は本当にヘンだ。

リリー・フランキー演じるテレビの天気予報士の父は、ある時から地球温暖化の危機に目覚めて、生番組でおかしなセリフを吐き始める。自分は火星から太陽系惑星連合の使者としてやってきたと言う。

その息子・一雄(亀梨和也)はフリーターで、自転車便のバイトをしている。ある時、政治家秘書の黒木(佐々木蔵之介)と仲良くなりその事務所で働きだすが、黒木から自分たちが水星人であることを教えられる。

大学生の娘・暁子(橋本愛)は大学で友達もなく孤独な毎日を過ごすが、ある時出会ったギター弾きの青年に惹かれる。彼に会いに金沢まで行くが、その男は「金星」という歌を歌っていて、暁子が金星人であることを教える。

中嶋朋子演じる母は地球人のままだが、不思議な水の怪しい販売ビジネスにハマってしまう。しかしそのビジネスは自然に崩壊へ向かう。

みんなが壊れていくので、映画が始まって1時間くらいたって、これは一体どうなるのかと思った。ところが、実際にそれぞれがだらしなくだめになってゆくだけ。ところがこれが最後まで十分に楽しめる。

リリー・フランキーが予報の最後に決める火星人のポーズとか、橋本愛の金星人の祈りのダンスとか、本当におかしい。火星人のポーズが流行する場面があったら、もっとよかったのにと思う。

何よりリリー・フランキーの宇宙的な演技が抜群だし、橋本愛や亀梨和也のきまじめな表情もピッタリ。脇役の佐々木蔵之介は無表情の火星人で、本当に怖い。

最初の日曜の午後なのに、空席が目立った。あの予告編だと普通の観客は来ないかもしれない。映画評も今一つなので、今後この監督の中では失敗作と言われるかもしれない。しかし、私には十分におもしろかった。今見ておく映画だと思うのだが。

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