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2017年6月18日 (日)

予想と違った展覧会2つ

私は映画を見るついでに展覧会に行くことが多い。有楽町で映画を見た後で出光美術館で見たのが、「水墨の風」展。実は副題の「長谷川等伯と雪舟」の方がメインの題名だと勘違いしていたので、予想と少し違った。つまり、この2人の画家の作品はそれほど多くはなかった。

明らかに雪舟の筆になるのは《破墨山水画》1点のみ。あとは伝雪舟が2点か。《破墨山水図》は小さな作品だし、墨のかすれで山や木々や谷を描いたもので、ある種、ヘタウマに近い。1時間くらいで描けるのではないかとさえ、思ってしまう。もちろん、気品というか、禅的な世界観は十分に伝わってくるけれど。

あとは最近個展を見た雪村とか江戸時代の谷文晁もあった。そして雪舟が影響を受けた中国の同時代絵画も数点。谷文晁の《風雨渡江図》は谷の真ん中で風が吹き荒れているようで何とも爽快な気分になった。

等伯は2点が出ていたが、《竹鶴図屏風》が圧巻だった。竹林に鶴が描かれているだけだが、その空間には恐ろしいほどの緊張感が漂っていて、見ていると頭がふらふらしてくる。私のような素人には、時代が少し下っているせいもあるが、雪舟よりもずっとわかりやすい。

ほかにも、室町、桃山から江戸時代に至る出光美術館所蔵の水墨画がずらりと並んでいる。私が名前を知っているのは、能阿弥、狩野探幽、浦上玉堂、田能村竹田、池大雅など。40点ほどの小さめの展覧会だが、初夏にふさわしい清涼感を与えてくれた。7月17日まで。

渋谷で映画を見た後に行ったのが、松涛美術館の「クェイ兄弟―ファントム・ミュージアム」展。クェイ兄弟は、若い頃に『ストリート・オブ・クロコダイル』(1986)をイメージフォーラム・フェスティバルで見て、文字通りしびれた記憶がある。当時はブラザーズ・クェイと呼んでいたと思う。

シュールな人形アニメで、最初は東欧出身に違いないと思ったが、アメリカ人だった。2階の展示室はデッサンやポスターが中心で、地下には映画に使われた人形や映像作品の抜粋、舞台の写真などが展示してあった。

デッサンや人形を見ても、凄まじい映像の抜け殻を見ているようで、どうもピンと来ない。結局、映像の抜粋の上映が一番おもしろかった。やはり映画の展示は難しい。彼らは舞台演出を多数手がけているようで、これはいつか見てみたい。この展覧会は7月23日まで。

展覧会がいいのは、映画に比べて時間を取られないこと。つまらなけければ、短時間で見ることもできるし。映画を見ると、とにかく時間がなくなる。

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