汐留を歩きながら考える
私は実はタダや割引に弱い。無料の景品をもらうために店に行き、セールで必要のないものまで買ってしまう。先日、野村証券の新橋支店から、「ご来店キャンペーン」として「図書カード(500円分)プレゼント」と書かれた郵便が来た。そこで無駄に電車賃を使わないために新橋に行く機会を探していたが、新橋駅前の試写室TCCに行く機会があった。
試写が終わり野村證券を目指すが、そのビルは工事中だった。なんということだ。落ち着きを取り戻してスマホで検索して汐留のシティセンタービルにあることがわかり、少し歩くが行くことにした。
長らく築地の新聞社に勤めていたので、汐留は得意のはずだった。電通にはよく打ち合わせに行ったし、汐留でよく食事をした。ところが久しぶりに地下に入ったら巨大すぎてさっぱりわからない。そのうえ、そこを歩くスーツ姿の会社員をたくさん見ていたらクラクラしてきた。
再びスマホを取り出して位置を確認して、無事にビルへ着いた。「アンケート」に答えさせらえたが、無事に図書カードもゲット。実は、ほかにもランチポットなど3点もらえると思っていたが、「どれか1点」だった。先方はやたらに「お忙しいでしょうから」と気を使ってくれたが、たぶんデータの職業欄が前職の新聞社名のままだったからだろう。
近くにパン屋がないか探していたら、パナソニック汐留ミュージアムが目の前に。前から気になっていた「日本、家の列島」展をやっていることに気がついて、見ることにした。これは「フランス人建築家が驚く日本の建築デザイン」というキャッチコピーで、ヨーロッパ巡回帰国展という。
HPの割引券を見せると100円安くなることが入口でわかり、思わずスマホで検索して見せた。本当にセコイ。この展覧会は、思いのほかおもしろかった。簡単に言うと、日本の建築家による個人の家の建築を、フランス人が選んで紹介している。
都庁とか東京体育館とかの大きな建物ではなく、本当に小さな個人の家。有名建築家もいるが、私が名前を知らない方が多い。その家の各方向からの写真、図面、模型に加えて、建築家や持ち主へのインタビューがある。インタビューは動画のことも。
《デッキの家》とか《窓の家》とか《鉄の家》とか、みんな小さな家を好き勝手に建てて住んでいる。周囲は全く普通の家なのに。自己満足と言えなくもない。さてこんな家がフランスにはないかと言うと、確かにあまり見たことはない。
さて自分はそういう家に住みたいかと言うと、それはない。私は普通のマンションで十分。映画とか美術にはうるさいが、そのほかはセコイただの人である。ミュージアムから出てまた会社員に囲まれながら、そう思った。
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