リサイクル生活へ:その(1)
インターネットやデジタル化によってこの20年間の日本に起きたのは、モノの極端な供給過多なのではないだろうか。衣服も住宅も食物も車も家電も。世界中がマーケットになり、安く早く売り尽くす資本家が巨額の富を蓄えた。
高齢化、少子化、低利子の日本では、もはやそんなにモノはいらない。だから都心でも空き家が増える一方なのに、新しいタワーマンションは立ち続ける。もちろん買う人がいるから、企業は作り続けるのだが。
そんななかで、もはや50も半ばを過ぎて新たな野望も期待もなくなった私は、せめて個人的に可能な限りでリサイクル生活をしてみたいと考えていた。
まず服については、とりあえず箪笥に無数にある無印とユニクロについて整理を始めたことは、ここに書いた。これらの店は持っていくと無料で引き取ってくれる。途上国に寄付をするか、布を再利用すると書かれている。
それ以外の古着をどうするか悩んでいたら、何かの雑誌で着払いで衣料を引き取ってくれるNGOがあると読んだ。ネットで調べたらいくつもあったので、そのうちの一つに電話して感じがよかったので、引き取ってもらうことにした。スーツ、セーター、シャツなどもはや自分は着ないけれど、傷んでいないものを選んで大きな段ボールに詰めた。
指定された日時に宅配便がやってきて、実に簡単。箪笥のスペースが大幅にできてよかった。100本は超すネクタイは、たぶん誰の役にも立たないので、思い出として残すことにした。今やネクタイは卒業式と入学式くらいしか着けないが。
私の場合、家の中を一番占領しているのは、服ではなくて本。最近は、友人や学生に本をあげることにしている。今は大学に勤めているので、大半の本はすぐに図書館で読むことができる。だから自分がどうしても手元に置きたい本以外はどんどん放出する。
たぶんアマゾンのマーケットプレイスで売ったらいいのだろうが、まだやっていない。特に大量の美術カタログは欲しい人もいると思うので、トライしようと思っている。この夏休みに超安値で売り始めようかな。
新しいモノを買わない人が増えると消費が伸びなくなるが、それでもかまわない。ゼロ金利の時代に、経済成長に期待する方がおかしい。そんなことを考えている、56歳の夏。
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