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2017年7月24日 (月)

『メアリと魔法の花』を楽しむ

スタジオジブリの製作部門が解体し、そこで活躍していた若手の米林宏昌監督と西村義明プロデューサーが立ち上げたスタジオポノックの第一回作品。それだけで見なければという気がしたので、劇場に出かけた。

正直なところ、ジブリ作品、ことに宮崎駿の世界に近いと思った。何より、主人公のメアリがほうきに乗って空を飛び話だから。そのうえ、森があったり、魔法の国があったり。

それでも赤毛でドジな普通の女の子が急に魔法を手に入れて、友達のピーターを救うためにけなげに頑張る姿には、心がときめいた。同じ監督で言えば、前作の『思い出のマーニー』よりも好きだが、『借りぐらしのアリエッティ』ほどではないか。

物語は、少女メアリが赤い館に両親に先駆けて引っ越してくるところから始まる。そこには大叔母とメイドがいて世話をしてくれる。森に出かけたメアリは魔法の花「夜間飛行」を見つけて、それによってほうきに乗って魔法大学へたどり着く。

そこでメアリは女性学長や科学者に会い、授業を参観して特待生となるが、「夜間飛行」を持っていることがばれてしまい、友人のピーターが誘拐されてしまう。いったん館に戻ったメアリは、ピーターを助け出すために、魔法大学へ向かう。

わずか2日たらずの単純な物語だが、随所に見どころが散りばめられている。まず赤毛で赤いセーターや赤いコートを着るメアリが野暮ったくていい。そして彼女が見つける「夜間飛行」の紫の幻想的な光具合に目を奪われる。

さらに魔法大学の楽しいことといったら。とりわけ、魔法をかけられて変身させられた大勢の動物たちの魔法を解き、一斉に逃げ出すシーンは本当に嬉しくなる。魔法大学のヘンな怪物たちや変身させられた動物たちの姿も、決して醜くはない。

ときおり、細密画のように書き込まれた手書きの森や草原が写り、心が休まる。これはジブリから引き継ぐ伝統だろう。

劇場で隣に小学生の女の子が座っていた。最初はポップコーンを食べていたが、途中からは本当に画面に食い入るように見ていた。小学生も50代半ばのおやじも感動させる映画は、やはりすごい。

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