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2017年7月 9日 (日)

『安倍三代』にやっぱり:続き

「反骨と反戦の政治家・寛の息子として生を受け、その父を最大の誇りにしつつ、父の‟遺産”の上に晋太郎は立っていた。しかもきらびやかな閨閥の列に連なった世襲のプリンスでもあったが、その人生に課せられた孤独と戦争体験がバランス感覚や優しさといった人格を作った」

私の世代の晋太郎に対するイメージはまさに「プリンスメロン」で、「さえない娘婿」という感じだったが、この本を読んでちょっと考えを改めた。

「それに対し、「こんなにいい子がいるのかっていうくらい行儀がいい」と評された晋太郎の息子・晋三。……むしろ凡庸に過ぎるほど育ちのいい3世のおぼっちゃま。極端な善や悪などまったく無縁にすくすく育ったツクしん坊。だが、だからこそその姿はどこかたよりなく、薄っぺらく、強引な振る舞いに出ても、幅と深さと知性にかけるように思われてならない。/実際に取材を尽くすと、その推測は確信へと変わってゆくのだった」

「とにかく普通で目立ったなかった」と友人が口をそろえて言う晋三は、小学校から大学まで16年を成蹊学園・大学で過ごす。寛も晋太郎も母方の祖母の岸信介もみんな東大法学部だが。高校の同級生は「いやぁ、東大は無理だったでしょう。早稲田や慶応もむりだったんじゃないかな」

大学の同級生は「彼は自分のことを紹介する時は『岸信介の孫』と言ってました。『安倍晋太郎の息子』とは言わずに。……どこにでもいるような学生、普通の学生でしたよ」。先生も誰も彼のことを覚えていない。そして卒業後米国に留学するが、「南カルフォルニア大学政治学科に2年間留学」が単なる語学留学だったことは、かつて報じられた通り。

そして帰国すると神戸製鋼に入社。当時の上司は「彼は要領が良くて、腰も軽かったから職場にも馴染んだし、結構一生懸命にやる子だったから、みんなに好かれましたよ。ただ率直に言って、‟政略入社”ですからね」。この上司は晋太郎が晋三を秘書にするので神戸製鋼を止めさせるのに、説得をさせられたという。「(こんなに急だと)『迷惑じゃないですか』って彼はいうから『もともと迷惑だったんだから』っていうようなことを言って(笑い)」

一番驚いたのは昭恵夫人の言葉。「主人は、政治家にならなければ、映画監督になりたかったという人なんです。映像の中で自分をイメージして、自分だったらこうするっていうのを、いつも考えているんです。だから私は、主人は安倍晋三という日本国の総理大臣を、ある意味では演じているところがあるのかなと思っています」

「やっぱり」その程度か、と思ってしまう。お坊ちゃまの「ごっこ」に付き合わされる国民はつらい。都議選の大敗後もそのままうまくいくとは思えないが。

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