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2017年8月15日 (火)

『ザ・マミー』を見る

『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』を劇場で見た。予告編を見た時は見ないつもりだったが、「読売」で田中記者が、「日経」で渡辺祥子さんが大きく紹介していた。そこで気になったのが、ユニバーサルが「ダーク・モンスター」というレーベルでモンスター映画を復活させるという記述だ。

ユニバーサルは創立は1912年と古いが(日活と同じ)、戦前は米メジャーの中では明らかに小さな方だった。MGMのようにスターを揃えられないために、トーキーになってキワモノ的なモンスター映画を量産してヒットした。『魔人ドラキュラ』(31)や『フランケンシュタイン』(31)や『ミイラ再生』(32)がそうだが、これらを現代に蘇らせる第一弾となれば、見ねばなるまい。

映画は拍子抜けするくらいB級感覚に満ちていて、そこをちょっと三枚目的に演じるトム・クルーズが妙によかった。彼はニックという名の米軍の兵士でイラクにいて、なぜかそこでエジプトのミイラの棺がそこに見つかる。考古学者のジェニー(アナベル・ウォーリス)はそれをロンドンに運ぼうとするが、飛行機はミイラの呪いで墜落する。

棺からは生きながらミイラにされた王女アマネット(ソフィア・ブテラ)が蘇り、近くの兵士に噛みついて部下とし(噛まれると、ゾンビみたいになる)、ニックを自分の男として選ぶ。

棺は大英博物館(とは出てこないが)に運ばれるが、そこにいる研究者はジキル博士(ラッセル・クロウ)で、薬が切れるとハイドに変わる。ニックはアマネットから逃げながら、ジキル博士と闘い、ジェニーを守る。

現代の中東とアメリカの関係を見せるような冒頭から、古代ミイラの復活にジキルとハイドが加わって、何だかわけがわからないが、それがすごいスピードで進む。さすがのトム・クルーズも困惑している感じ。

ふと思ったが、「マミー」から「ミイラ」を思い浮かべる日本人がどれだけいるだろうか。かつては同じThe Mummyでも『ミイラ再生』だったし、邦題に「ミイラ」をつけた方がよかったのではないか。

そういえば、第一作では明確に「大英博物館」と書かれていて、1932年の発掘品を大英博物館ではなくカイロ博物館に収蔵することがテーマの1つだった。それもあって、ほとんどがカイロが舞台の静かな映画だったことを思い出した。ある意味では大英帝国に反対するエジプトの物語だった。今回は「大英博物館」の名前さえ外し、エジプトを避けてイラクにしてしまった。

「読売」によれば、このシリーズでハビエル・バルデムがフランケンシュタインを、ジョニー・デップが透明人間を演じるという。「日経」にはラッセル・クロウがジキル役で全作品に出ると書かれている。監督のアレックス・カーツマンは『スタートレック』などの脚本や製作で知られるが、見せ場を知っている器用な演出に見えた。このシリーズを引っ張るのではないか。

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つい最近も、このプロットっぽい映画をみた記憶が... 主人公の彼女が、やはり古代の呪いにかかり、宿敵化する 解決。 だが、どの映画だったか思い出せない(笑) というくらい陳腐化したプロットなのだが、油断していたらすっかり足をすくわれた! 始まりのクレジットから既に「何?これ」!?状態。 普通は、UNIVERSAL文字が地球の周回軌...... [続きを読む]

受信: 2017年8月15日 (火) 19時34分

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