« 『奥田民生になりたい…』を見た | トップページ | さすがノーランの『ダンケルク』 »

2017年9月25日 (月)

通りがかりの展覧会2つ

帰国して、映画を見たついでに足を運んだ展覧会を2つ。1つは銀座のシャネル本店のネクサス・ホールで10月1日まで開かれている「レイモン・ドゥパルドン展」。彼は映画監督でもあり、このブログでも現在上映中の『旅する写真家』などを取り上げている。

この展覧会は3部に分かれる。1964年の東京オリンピック、85年から2008年までの時代、そして2016年。最後のパートだけがカラーだ。

もちろん一番おもしろいのは、オリンピックの時の白黒写真。デパルドンが22歳の時で、若くてハンサムな彼自身も一枚写っているが、とにかく人々の熱気が違う。フェンスを飛び出さんばかりに応援し、当時はずいぶん高価だっただろう望遠レンズ付きカメラを必死で構える。現天皇の皇太子夫妻や皇室でさえも実に真剣に見ている。街頭では日本人が外国の選手を取り囲む。珍しくてしょうがない感じ。若いデパルドンも楽しかっただろう。

その後の85年からの写真も白黒で、むしろ古い日本を懐かしむ感じ。1980年代後半の子供たちが、1964年とあまり変わらない。赤ん坊を負ぶった女はいかにも昔風だが、アパートに張られたポスターに新宿ピカデリーの『ジャンヌ・ダルク』があることから、95年頃だろう。

2016年はカラーで、都会の老若男女のサラリーマンや若い女性などが中心。こちらはいかにもありきたりに見える。現代の東京がおもしろくないのか、デパルドンがそういう対象を選んだのか。彼は個人的にも知っているので、今度会った時に聞いてみたい。

上映中の映画『旅する写真家』は、フランスの田舎でまさに忘れられたような光景をカメラに収めるデパルドン本人を撮ったものだが、日本で彼が撮影する姿を撮った映画があったらもっとおもしろいだろうにと思った。この展覧会は入場無料だが、観客は少ない。

もう1つ見たのは、東急文化村で昨日で終わってしまった「ベルギー 奇想の系譜」展。副題に「ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」とある通り、16世紀のボス工房やブリューゲルから17世紀のルーベンスとなり、それから時代は19世紀末に飛ぶ。クノップフやアンソールのベルギー幻想派を見せたかと思うと、20世紀のデルヴォーやマグリット。

あるいはブロータースやパナマレンコ、ヤン・ファーブルなど現存の作家まで少しずつ出てくる。作品も半分は国内所蔵作品で、とにかくベルギーをキーワードに無理やり集めた感じか。それでも確かに「奇想の系譜」というテーマはわからなくもない。

どこの国にもファンはいるが、ベルギー好きの日本人がいるのもこの展覧会を見るとよくわかる。ところでヨーロッパに軽く30回は行っている私は、なぜかベルギーに行ったことがない。今度こそ機会を作ろうと考えた。

|

« 『奥田民生になりたい…』を見た | トップページ | さすがノーランの『ダンケルク』 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/65828497

この記事へのトラックバック一覧です: 通りがかりの展覧会2つ:

« 『奥田民生になりたい…』を見た | トップページ | さすがノーランの『ダンケルク』 »