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2017年10月10日 (火)

シュテーデル美術館を思い出す

山形を歩いていたら、文翔館というレンガ造りの立派な建物があった。大正初期に建てられた旧県庁舎らしいが、それを見てこの9月に行ったドイツの美術館をふと思い出した。フランクフルトの川沿いに立つシュテーデル美術館のこと。

カッセルに一泊で現代美術展「ドクメンタ」を見に行った帰り道、乗り換えのフランクフルト中央駅で2時間半ほど時間が空いた。どこか美術館にでも行こうと考えて、一番近いので選んだのが駅から歩いて行けるこの美術館。

ここは30年近く前に行った記憶はあるが、当時はルネサンス絵画や17世紀のオランダ絵画に興味がなかったせいか、何を見たのかよく覚えていない。今ではとにかくフェルメールの《地理学者》があることで有名で、これは数年前に渋谷の文化村にも来た。

その展覧会はこの美術館の所蔵品展で、レンブラントやルーベンスもあったので、私のなかではいわゆるオールド・マスターに強い美術館という印象があった。ところが電車のなかでサイトを見ると、企画展「マティスとボナール」が何とその日から始まっていた。

駅から歩いて10分ほどで美術館に着いた時は、16時半を過ぎていた。閉館が18時なので迷わず「マティスとボナール」の会場に進んだ。同じテーマの展覧会は10年ほど前に佐倉の川村記念美術館で見たが、さすがにシュテーデルだと本当に世界中の美術館から集めていた。

ボナールは、1869年生まれのマティスより2つ上。ボナールはナビ派、マティスはフォーヴィスムから出発していて関係なさそうだが、2人は尊敬しあう友人だったという。どちらも室内画が多いが、年を追うごとに大胆な造形と色彩を見せるマティスに比べて、ボナールは部屋に満ち溢れる光を暖色で描く。

手元に作品リストもカタログもないので、個々の作品についての記憶は曖昧だが、川村で見たスイスの個人蔵のボナール《陽の当たるテラス》があったのが嬉しかった。縦は71センチなのに横は236センチという超横長で、まるでパノラマのようにテラスと庭と海がつながってみえる。ボナールの視覚的幻影の極致だろう。

その後は、残りの45分ほどをとにかく古い絵画を見て過ごした。《地理学者》は海外に貸し出されていたが、ボッティチェルリ、デューラー、ハンス・ホルバイン、レンブラント、ベラスケスなどいくらでもあって見飽きなかった。18時にはきちんと追い出されたが、大きすぎないこの美術館が妙に気に入った。これなら3、4時間あれば全部見られると思った。「マティスとボナール」は1月14日まで開催。

何でそんなに美術館が好きなのかわからない。間違いないのは、映画を教え始めてから素直に興味が沸いてきたことだ。

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