『プラネタリウム』にがっかり
レベッカ・ズロトヴスキ監督の『プラネタリウム』を劇場で見た。去年のベネチアでかなり話題になっていたが見ていなかった。戦前のパリが舞台で、アメリカから来た降霊術師姉妹とフランスのユダヤ人映画プロデューサーの話と聞いて、とにかく見たいと思った。
この監督は最初の長編『美しき棘』を東京日仏学院で見て、そのぶっ飛びぶりに驚いた。1980年生まれというが、同じ年のセリーヌ・シアマなどと共に新世代が来たなという気がしていた。
ところが今回はかなりがっかりしていた。『美しき棘』と違って、交霊術を映画に撮るという大きな物語があるのに、いっこうに進行しないままに、そのまま終わってしまった。
そもそも主演のナタリー・ポートマンが、私には全くピンと来なかった。もともとこの女優が私は苦手で『ブラック・スワン』は、本当にバカじゃないかと思ったくらい。
そのうえ彼女の妹役のリリー=ローズ・デップもカマトトぶっている感じでヘンだった。彼女は最近見た映画だと『ザ・ダンサー』でもダメだと思ったが。
この2人がアメリカから降霊術のショーをやるために、パリに着く。そこで交霊術をやってうまくいくが、個人客は集まらず、なかなか厳しい。ショーの客の1人が映画プロデューサーのコルベンで、個人で依頼して死んだ兄と話すことができたので、これを映画に撮ろうと思いつく。
それから南仏でポートマン演じるローラの撮影が始まる。ローラは共演の男性(ルイ・ガレル)を気に入ったり、撮影で会った別の男性と寝たり。妹ケイトにはコルベンが執拗にまとわりつく。
コルベンの不思議な情熱と姉妹の嫉妬をベースにした妙な感情があっちに行ったり、こっちに行ったり。映画作りそのものもどうなっったのかわからない。
冒頭に1943年のドイツ支配下でローラがある女性と再会するシーンがある。それから数年前のできごととして物語が始まるが、終盤に1943年に戻る。そしてことの次第を聞かされるが、ええっという感じ。
良かったのは、『魂を救え!』や『そして僕は恋をする』などのデプレシャン監督作品の頃からぐっと老けたエマニュエル・サランジュで、外国人プロデューサーのコルベンをいい感じに演じていた。あれでわたしより3つ若いとは。映画撮影所の雰囲気もなかなかよかった。そもそも、フランス人監督がアメリカ人俳優を使うとうまくいかないのではないか。
| 固定リンク
「映画」カテゴリの記事
- 『ディスクロージャー・デイ』のおもしろさと不可解さ(2026.10.07)
- 『ナギダイアリー』の新境地(2026.10.01)
- 『ビルマの竪琴』から『花と兵隊』へ(2026.09.27)
- 1年ぶりの海外で考えたこと:その(5)飛行機の映画(2026.10.03)


コメント