『勝手にふるえてろ』は新しいか
12月23日に公開された大九明子監督『勝手にふるえてろ』について書く。東京国際映画祭のコンペに選ばれた作品だが、その前に見ていた。最近は公開前にあまり否定的なことを書かないように一応気をつけているので、今になってアップする。
要は私にはサッパリわからなかった。主人公の24歳のOLヨシカ(松岡茉優)は、中学の同級生「イチ」(北村匠海)が忘れられない。ところが会社の同期「ニ」(渡辺大地)に愛を告白される。初めての経験に舞い上がるが、妥協をすべきか迷う。
とにかくヨシカの悩みが全体を覆う。何とか「イチ」に再会しようと同窓会を仕掛けるが、会ってもいま一つ盛り上がらない。一方で「ニ」に頼まれるままにデートを重ねて、だんだん愛情も湧いてくる。ヨシカはちょっとした感情の動きを体に表し、踊り、歌い、周囲に話しかける。
駅員(前野朋哉)、釣りのおじさん(古舘寛治)、オカリナを弾く隣人(片桐はいり)、金髪のカフェ店員(趣里)などが出てきて、ヨシカを盛り上げる。職場では同僚の来留美(石橋杏奈)が恋愛の相談に乗ってくれる。
私はヨシカのバカさ加減に途中からついていけなくなった。24歳なのにすべてが小学生レベルで自分の恋愛しか考えていない。彼女が会社を辞める理由を知って、心底アホらしいと思った。日頃から学生と接しているのでこういう若者が増えているのはわかるが、映画では見たくない。
あらゆる現実を捨象して、自分の思い込みだけで生きる女性の脳内を映像化したかったのはわかるし、これに反応する観客もいると思う。21世紀の新しい映像の一つかもしれない。しかし私はこうした多幸症の映画は好きになれない。
これを「新しさ」として東京国際映画祭のコンペに選ぶ発想が信じられないと思ったが、これが観客賞を取ったということは、ある客層には支持されるということだろう。それにしても東京国際のコンペがこれと『最低。』とは、情けない。この2本は今年の「回顧」でもほとんど出てこなかったし、賞レースにも関係なさそうだし。
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