偽装帰宅難民に見る忖度社会
昨日、家に帰ろうとして帰宅難民になりかけた。午後17時過ぎ、渋谷で用事を済ませて自宅に帰ろうと思って、半蔵門線渋谷駅に歩いて行った。ところが大変な混雑になっていた。
地下2階の改札口から109の下まで500メートルくらいの長い列ができている。一向に進む気配はないのに、並ぶ人は増えている。駅員の案内も何もないのに、みんな「半蔵門の列ですよね」と言いながら、従順に並んでいた。
15分ほど並んで、ふと考えた。これは田園都市線沿線に行く人々なので、私のように反対の押上方面に行くのはすぐに入れるのではないか。それで列から出て、並ぶ人々に怪訝な顔で見られながら改札まで歩いて駅員に聞くと、「反対方向も一応並んでもらっています」
いったん列も離れたので、ふとJRを使おうと考えて地下2階を進んだ。ところがJRから半蔵門線に向かう人々で、途中から全く身動きができなくなった。何とか別の出口から地下1階に出ると、意外にもするりとJRに乗ることができた。JR駅は思ったほどの混雑ではない。
列車も混んでいるが普通に動いていて、高田馬場に着いた。それから東西線に乗ろうとJRの改札を出たらまた身動きできなくなった。西武新宿線に乗る人々が、駅に充満していた。何とかいったん外に出て、雪の中を歩いて再び地下鉄方面に行くと、ここも西武線へ向かう人々で通れない。
「降りまーす」と大声を挙げて遮二無二通ると、大勢が後ろからついてきた。千葉方面の地下鉄はガラガラ。結局のところ普通は30分なのに1時間以上かかった。列車はおおむね普通に動いているのに何でこんなことになるのか。
一番は、企業や役所が3時以降に「帰宅命令」を出したからだろう。普通に仕事をさせて、もし帰宅できない社員が出たり、帰宅中に事故が起きて社員が巻き込まれたらまずい、と人事部や総務部は判断する。いわば責任逃れのための忖度。
そして社員は従順に一度に駅に押しかける。だから5時を過ぎるとラッシュ時の3倍くらいの人が田園都市線や西武線のターミナル駅に集中し、通れなくなる。そしてみんな声も挙げずに、おとなしく列を作って待つ。列車は止まっていないのに。
21時過ぎると、どの駅もスイスイだったようだ。昔は雪くらいで企業は仕事を止めろとは言わなかった。よく雪の日に23時頃まで飲んでいたこともあった。「こんな日は遅いと駅も電車もすいているからね」と言いながら。すべては自己判断。
組織は判断停止の「忖度」をし、人々は何も言わずそれに従う。そこから偽装帰宅難民が生まれた。こんなことを書くと、都心に住んでいるからそんな呑気なことを言えるんだよ、と言われそうだけど。
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コメント
全員が一斉に同じ方向に動くからパンクするんですよね。というわけで(?)、私は昨晩22時半まで飲んで帰りました。会社の呼び掛けに応じて、私にしては早めの帰宅です(笑)。電車が止まったらアウトなのでかなりギャンブルでしたが、当然ながら車内は大変すいていました。
投稿: 石飛徳樹 | 2018年1月23日 (火) 10時31分