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2018年2月 3日 (土)

気になる3人の訃報

今年になって、昔から妙に気になった3人が相次いで亡くなった。野球選手の星野仙一が70歳で1月4日、評論家の西部邁が78歳で1月21日、政治家の野中広務が92歳で1月26日。たぶん西部邁は知らない人も多いと思うが、私にはなぜか気になる人だった。

星野仙一は何といっても、私が小学生の頃、中日の投手時代に巨人の10連覇を止めたのを今でも記憶している。巨人が大好きな父親が怒っていたのが痛快だった。その後監督になっても野球評論家になってもアンチ巨人な感じを貫いている感じで、最近はよく知らないが、いつも小気味いい感じだった。

西部邁は、彼が東大教授時代に1、2冊本を読んだ記憶があるはず。政府機関に働き始めた私は、いつのまにか発想が権力寄りになった。だからせめて保守派の論客の本を読もうと思ったのだろうか。中沢新一を東大教授にしようとして意見が通らず、怒って東大を辞めてからは発言がより自由になった。

テレビにも出るようになったし、よく雑誌のインタビューや対談を読んだ。時々ちょっとおかしいんじゃないか、と思うようになって読まなくなった。その後、「左寄り」の新聞社に転職したこともあるかもしれない。それでも「一目置く」存在だった。

野中広務は自民党の政治家で時には政略を駆使したが、その発言にはどこか優しさがあった。そして私が一番苦手な政治家、麻生太郎の部落発言に猛然と怒った時には、快哉を叫んだ。政治家をやめてからの辛淑玉 との『差別と日本人』には本当に心を打たれた。

西部邁も野中広務もいわゆる保守派だが、筋が通っていたし、あらゆる権力をバカにしている感じがよかった。星野仙一はプロ野球選手でありながら、球界の盟主である巨人への対抗意識が見ていて気持ちよかった。

保守派が好きなのは、ソ連崩壊後、「左派」が意味をもたなくなったこともある。だがそれより私自身が公務員、新聞社員、大学教員と安全な道を生きてきたから、彼らのような「組織内反乱」に憧れたのかもしれない。

何より、彼らの見せた「人間味」が良かった。

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