「ルモンド」紙に出たアルマーニの制服問題
私は仏「ルモンド」紙電子版に無料会員登録をしているので、毎日ニュース一覧がメールで送られてくる。記事は月に10本までは無料なので時々読むが、主要ニュースで日本が話題になることは最近は少ない。
ところが先日、銀座の泰明小学校が8万円のアルマーニの制服を採用する話が載っていたので、思わずクリックした。ニュース一覧では「日本でアルマーニを着る生徒」というタイトルで制服の写真付き。記事は、4月からこの制服を採用すると2月8日に中央区が発表してから、議論が起きているという内容。
そこには麻生副首相や林文科大臣の発言も引用してあって、和田校長の反論も載っている。そこまではいいのだが、気になったのはその後の文章。
「日本の学校の多くは、小学校から大学まで、公立も私立も制服が強制されている。それは長年西洋の軍隊の行進用制服の影響を受けたものだった。最初は栄誉ある東京大学の前身、東京帝国大学が1886年に始めたもので、……」
「強制されている」(imposerという動詞で英語ならimpose)は現在形の表現だが、今の日本の大学で制服が強制されている大学はほとんどない。ネットで見たら数校の女子大にあるようだが、かなり珍しい。あるいは体育会の応援の学ランのことを言いたいのか。
この記事を読んだフランス人は「日本では大学まで制服があるんだ。それも西洋の軍隊のマネだって。やっぱり変な国だね。金があるから、小学生がアルマーニだって」とバカにするだろう。実は「ルモンド」の日本関連記事は、ロベール・ギラン氏の昔から、この30年ほど日本特派員をしているフィリップ・ポンス氏までこうした「偏見」に満ちている。
ポンス氏は会ったこともあるので、彼の考えはだいたいわかる。「こう書かないとフランス人読者はわかってくれないから」。これを書いたのはフィリップ・メスメールという別の記者だが、たぶん同じ考えだろう。最近はネット記事で何回読まれたかもわかるので、余計に俗耳に入りやすい文章を書くだろう。
日本でも私が新聞社にいた頃、「こう書かないと一般読者にはわからないから」と言う上司がどこの部署でもいた。読者をバカにしているのはフランスだけではない。
それにしても、制服自体を全部止めたらいいという議論にどうしてならないのだろうか。
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