「イルカにのった少年」ノスタルジア
昔、新聞社にいた頃、「テレビを見ないとダメだよ」と何度か言われた。確かに「現代」を毎日伝える新聞社にいて、テレビの流行を知らないのはまずい。だけど、私は大きな事件が起きた時以外はテレビを見なかった。それは今も続いている。
だから先日の「毎日」の夕刊で、60歳になった城みちるが1ページの半分以上で大きく取り上げられているのを見てビックリした。私は彼が「イルカにのった少年」でデビューした後、20歳で引退して広島で電器店を継いでいたことは知っていた。
その後も「あの人は今」のような番組や雑誌に出て、伊藤咲子(伊東美咲ではない)との実らなかった恋愛が取り上げられたことはあったと思う。ところがこの記事によれば、1977年に引退して広島に帰った後、1986年から再びテレビに出ていた。バラエティ番組やドラマにも出ていたらしい。
そして今は、亡くなった父親に生前に認めて欲しくて始めた全国の高齢者施設慰問コンサートに忙しいという。さらに最近、伊藤咲子の新作レコードでデュエットをしたとも。
このブログは私の学生も読んでいるので解説しておくと、城みちるの「イルカにのった少年」や伊藤咲子の「ひまわり娘」はデビュー曲で空前のヒットだった。小学高学年だった私は今でも歌えるほど。2人は1970年代に一世を風靡した日テレの「スター誕生!」の決勝大会でスカウトされた。
「スター誕生」は、森昌子と桜田淳子と山口百恵を生んだ驚異的な番組で、毎週日曜日の昼前に小学生の私は固唾を飲んでその審査を見守っていた。とりわけ決戦大会でレコード会社がスカウトの社名入りのボードを挙げる時は、本当にドキドキした。桜田淳子の時には、30を超すスカウトのほとんどがボードを挙げたのを記憶している。
城みちるはその後に出てきた感じで、どちらかというと「一発屋」に近かった。それでもフリフリの襟のついた真っ青なジャケットを着た中性的な美少年の姿は、今でもありありと思い出す。
ネットで調べると、その後「スター誕生!」からは岩崎宏美、片平なぎさ、ピンク・レディー、石野真子、中森明菜、岡田有希子などが出ているが、どうも順調に芸能界を歩んだ感じがない。岡田有希子は自殺したし。ほかにもデビューはしたが私の記憶にない名前が無数にある。
「スター誕生!」自体が、全国の歌のうまい中学生や高校生やその親を騙して東京に呼び寄せ、一時的にもて囃しては捨ててゆく、一種の資本主義による搾取のシステムだったのかもしれない。実は、私の姉も地方大会を受けたことを思い出した。あるいは別の歌番組かもしれない。
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