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2018年4月25日 (水)

名刺を出すのは恥ずかしい

先日、新聞社時代の大半を過ごした部署のOB会に出かけた。10年ぶりに会う人がほとんどで懐かしかったが、ちょっと当惑したこともあった。私の異動に関わったかつての上司は、いきなり私を「古賀君」と君づけした。

その人は、まるで私の異動は私の将来を考えてのことだったように語った。あえて喧嘩するのも大人げないので軽く流したが、相手はその後で名刺を出した。仕方なく私も出したが、その名刺には関連団体の「理事長」と書かれていた。

ほかにも関連会社の「社長」になった人から名刺を差し出された。どうもみんな自慢したいらしい。いわゆる「天下り」なのに、カッコ悪いという感覚がないらしい。新聞社のなのに。出席者を見てみると、かつて課長や部長や局長をやった人が多く、私が会いたかったヒラの人々は少なかった。OB会は初めて行ったが、そういうものなのだろう。

そういえば、今回非常勤講師を始めた大学の懇親会に行ったら、名刺を出した先生がいた。そこには「教授」以外にいろいろ書かれていた。ああこの人も自慢したいのか、と思った。

もちろん私も会社員の頃は、とにかく名刺を出して他人の名刺を集めた。偉い人や有名人の名刺をもらうと嬉しかった。今もどこかに分厚い名刺ファイルが10冊はあるはず。

大学に行ってからは、あまり名刺を使わなくなった。学生と名刺交換はしないし、外部の人と会う機会は少ない。知らない人に会っても、できるだけ自分からは名刺を出さない。「教授」と書かれた名刺が「どうだ」みたいだから。

海外、少なくともヨーロッパでは初対面では名刺を出さない。出すとまるで何か下心があるかのように思われる感じがする。そもそも名刺を持ち歩いていない人が多い。別れ際にこの人とはまた会いたいと思った時にだけ、名刺か連絡先を渡すくらい。

OB会の後には、いよいよ名刺を出すのが恥ずかしくなった。これからは持ち歩くのをやめようか。そもそも私の大学のメールアドレスは公開しているし、知らない人でも、フェイスブックのメッセンジャーから連絡をしてくる。このブログにもアドレスがあるのだし。

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コメント

ああ、わかる気がする。それは、もう40代後半から道が分かれているんじゃないかな。あっちかこっちか。どっちの道を行くにしても、その歳になれば、品性が問われるんだと思う。
ただ、あっちの道をゆく人たちの品性がすっかり地に堕ちてしまった。財務省を笑えないよ。

投稿: 古賀重樹 | 2018年4月25日 (水) 23時33分

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