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2018年5月 3日 (木)

『パシフィック・リム』の続編を見たが

昔から「外国映画に出てくる日本」は好きで、だいたい監督や中身を問わず見る。『パシフィック・リム』(2013)は、まさに日本の怪獣映画へのオマージュとして作られていたが、ギレルモ・デル・トロ監督ということもあり、それなりに楽しめた。

今回の『パシフィック・リム:アップライジング』は予告編を見て、前回以上に日本が舞台になっていると知って期待していた。そしててっきり監督も同じだと思っていた。

ところが私にはあまりピンとこなかった。そもそもデル・トロは今回は製作総指揮に回り、監督はスティーヴン・S・デナイトという無名の人に代わっていたことに見た後に気がついた。

何より、日本の部分がかなりいいかげん。もともと東京や富士山が舞台になるのは、111分のうち最後の30分くらい。その最後の決戦では、確かに日本の看板や広告が溢れるビル街が何度も写るが、どこか日本と違う。明らかに中国語の看板も交じっていた。映画では高層ビルが整然と並んだ感じだが、実際の東京はもっとごちゃごちゃ。

そしてビルを平気でどんどん壊してゆく。なんせ、イェーガーが怪獣を倒す作戦の一つが、隣りのビルを倒して怪獣にぶつけるというものだから。一応、住民は避難したという設定ではあるが。

その最後の決戦に至るまでがなかなか長い。話は10年前の怪獣との戦いで戦死して英雄とたたえられた男の息子ジェイク(ジョン・ボイエガ)が中心となる。彼が出会うのが孤児の女性アマーラ(ケイリー・スピーニー)で、一緒にイェーガーを開発する。

ポイントは中国のシャオ産業が開発したドローンのイェーガーが、なぜか地球の裂け目を再び開けて、怪獣を連れ出すこと。実はシャオ産業に雇われたアメリカ人技術者のニュートンが、10年前に怪獣の脳とリンクして乗っ取られていた。

最初は中国企業が犯人かと思われるが実は違ったという設定だが、わかりにくい。頭のおかしくなった科学者ニュートン(チャーリー・デイ)の能天気な感じはおかしいけれど。いずれにしても今回はシャオ産業がかなり写ることもあって、中国人俳優も多い。前作から製作に中国が参加していたが、今回はモトを取った感じ。

俳優では一線を退いた菊地凜子演じる森マコがいい。いかにも世界を見尽くした諦念の感じが出ているし、中盤で犠牲になって死んでゆくカッコいい役。

「裂け目」が開いて怪獣が出てくるという発想で、これからも「パシフィック・リム」は続きそうだが、もう見ることはなさそう。英語でも「かいじゅう」と呼ぶ感じは楽しいのだけど。

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コメント

心底感じたのが、あまりの カイジュー愛不足(涙)
前作ではギレルモ・デル・トロ がひたすら愛情を注ぎ込んでいましたが...

あっちに全部注ぎ込んじゃった感じですね。
それはそれで大正解なのですが(笑)

投稿: onscreen | 2018年5月 4日 (金) 07時00分

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