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2018年5月 8日 (火)

「チャイナ・スタンダード」とは

連休中に「朝日」の朝刊1面と2面を使った「チャイナ・スタンダード」という特集が、印象に残った。見出しは「中国手本「民主化なき発展」」で、中国式の一党独裁的な政権を支持する国が増えているというショッキングな内容だ。

私はこれまで「いずれ中国も民主化される」と思っていた。これだけ海外に中国から旅行者が出て留学生も増えれば、自由な社会を知り、中国もこのままではいけない、と思うだろう。中国はいずれ内部から自然と民主化してゆくのではないかと。

ところがこの記事によれば、カンボジア、モルディブ、ジンバブエ、ベネズエラといった国々が中国の経済支援を受けて中国との連携を強めているという。カンボジアのフン・セン首相は、ウクライナのオレンジ革命やチュニジアのジャスミン革命などを「カラー革命」と呼んで非難する。「米欧と通じた野党をのさばらせてカラー革命を許せば、悲劇が再来する」という考え。

その記事には「自由民主主義指数」を色で表した世界地図がついていた。民主主義が成熟した地域が青で、だんだん薄くなり白に近づく。未成熟は赤。これで見ると、青や薄い青は北米と南米、欧州、豪州、日本、韓国だけで、アジア、中近東、アフリカ、中米など多くは赤。

とりあえず世界地図の面積だけだと、中国型の国の方が多い。国連人権理事会で「中国は国連人権システムの弱体化をねらっている」という。中国は「人権保護の取り組みでも国家の特殊性と歴史性、文化的宗教的背景は留意されなければならない」と訴え、カンボジア、ベネズエラ、スーダン、シリアなどが名を連ねた。この決議案は米国だけが反対し、日本やEUは棄権に回って可決された。

日本やEUが反対せずに棄権に回ったのは、経済関係の悪化を恐れたためだろう。何ということだ。もはや「人権」という普遍的概念さえ、国連で守られないとは。そして日本も欧州も反対できないとは。

6面にも記事があって、イアン・ブレマー氏は言う。「人々は5年前ですら、世界の未来は自由民主主義にあり、中国は政治改革をしなければ崩壊すると思っていた。だが中国は改革もせず崩壊もしない。米国のモデルも受け入れていない。実際、自分たちのモデルが本当に機能するのかと迷うようになっているのは米国人のほうだ」

確かに日本も含めて「民主的」な国でおかしなトップが何人も生まれている。それはともかく、「中国は変わらない」という認識から出発した方がよさそうだ。


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