『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』の描く1970年代アメリカ
7月6日公開のジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス共同監督『バトル・オブ・セクシーズ』の試写を見た。予告編がおもしろそうだったし、ずいぶんブスな感じのメイクのエマ・ストーンが気になった。
予想通り、なかなか楽しめる1本だった。製作にダニー・ボイルが加わり、「『スラムドッグ&ミリオネア』のスタッフが再結集」という宣伝文句そのままで、ダニー・ボイルらしく「一点突破」を楽しむ映画。
1973年、29歳のテニス女子世界チャンピオン、ビリー・ジーン(エマ・ストーン)と55歳の男性元世界チャンピオン、ボブ(スティーヴ・カレル)が戦う。これが「女性は体力が弱く、男性にはかなわない」という男性至上主義へのフェミニズムの戦いとなり、題名の「バトル・オブ・セクシーズ」と呼ばれる。
この試合が後半で、最初は、全米テニス協会が発表した次期大会の女子の優勝賞金が1500ドルで、男子の1/8だったことにビリー・ジーンが怒る場面から始まる。彼女は協会を脱退し、友人と協力して女子テニス協会を立ち上げる。
スポンサーを得て、新しい協会は動き始める。いろいろあって、後半のボブとの試合を受けることになる。もちろん歴史が示す通り、ビリー・ジーンは勝つのだが、その過程がうまい。
全米ツアーの最中に彼女は実は美容師の女性と恋に落ちる。そこに夫が出くわしてしまう。さらに自らは公言しないが明らかにゲイのコーチもいる。
ボブは派手好きでおバカだが、憎めない。試合も無理を重ねて大奮闘する。だから見ていて、さわやかな感じが残る。何より、エマ・ストーンの素直でストレートな生き方に共感できる。
最後のクレジットで実際の写真が出てくるのは最近の映画の定番だが、今回はビリー・ジーンもボブも本当によく似ていてびっくりした。
普通に楽しめる映画だが、1973年のアメリカの雰囲気をファッションや街の色合いも含めてよく再現している。あれだけ女性差別の言葉が続出すると、やはりアメリカもこうだったのかと今更ながら驚いた。ビリー・ジーンに対して「ウーマン・リブ」という言葉が何度も出てくるが、日本も同じ頃からこの言葉が出てきたのを思い出す。英語はWomen's Liberationだとは、実は私は知らなかった。
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コメント
すみません、ゲイのあの方はコーチではなく、WTAのファッション顧問です(笑)
投稿: onscreen | 2018年6月26日 (火) 18時48分