« 『ショック・ウェイブ』の楽しさ | トップページ | 『カメラを止めるな』はおもしろいか »

2018年8月24日 (金)

入院して考えたこと:その(4)

入院してよかったことは少ないが、あえて言えば「弱い人」の立場に置かれたことか。手術の麻酔が切れて丸1日がたち、尿管や足の拘束がなくなって、看護師の助けを借りて起き上がった。ところがこれが容易でない。

左手にはまだ点滴が刺さっている。お腹には力が全く入らない。そのうえ、五十肩で左手の動きは限られている。最初は看護師に背中を抱えてもらったからまだいいが、次に自分で立ち上がろうとすると、どうしていいかわからない。

手足を微妙に動かしながら体勢を変えて、右ひじの力で何とか上半身を立てる。それからゆっくりと両足をつけて、腰を浮かして立ち上がる。左手から延びる点滴の管とスタンドを右手で動かしながら、少し歩く。

まずはとりあえずトイレに行く。本当に、ゆっくりゆっくり歩いた。長時間尿管を入れていたせいで感覚がおかしいし、最初は血が出る。これは立っては無理だとわかり、便器に座り込んで、ゆっくり構えた。その瞬間、くらくらと眩暈がしたが、数秒で収まった。

ほとんど出なかったが、ベッドの方にまたゆっくり戻る。ついでに冷蔵庫から水を出して飲んだ。これがもう抜群においしいので、たっぷり飲んだ。それから横になるのがまた一大作業。点滴スタンドをうまく回しながら腰を下ろし、それから右ひじを使ってすこしずつ横たわる。

それから30分するとまたトイレに行きたくなり、その後にまた水を飲む。そして寝る。これを繰り返しているとだんだん要領をつかむし、電動式ベッドの上半分を上げていると動きやすいことに気づく。

しばらくたったら、廊下の外に出て歩いてみた。本当に少しずつ足を動かす。そしてその階のあちこちを歩いてから戻る。しばらくして休んで今度はエレベーターに乗って1階に行ってみた。普通の服装の人々が歩いているのを見て、妙に感激する。

午後4時半に点滴も外されたが、針はまだ残してある。シャワーは翌日からというので、まず裸になって全身を濡らしたタオルで拭いた。それから洗面台で髪を洗って髭を剃った。本当に生き返ったと思ったのは、翌朝点滴の針を外されて、シャワーを浴びた時かもしれない。

そして1階のカフェにコーヒーを飲みに行った。病院のパジャマ姿でコンビニで買った新聞を読みながら熱いコーヒーを飲むことが、なんと幸せなことか。退院はその朝から三日後だったが、手術跡の痛みは続いた。歩く時はいつも手すりを探す。とにかく「弱い人」になった。

|

« 『ショック・ウェイブ』の楽しさ | トップページ | 『カメラを止めるな』はおもしろいか »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

ものもらい(霰粒腫)ができて、眼科に行ったことがあります。
女医さんが「膿、少し出すといいんだよなあ」とかいって、「痛いの強いですか?」ってきかれた。結構強い方だと思ってて「はい、強いです」といった。そこで、うけるかな?と思い、「痛いの好きです。」と言ってみた。ぷっと吹いて、おううけたと喜んだ。そしたら、針で刺したり、ぐりぐりぐりぐり、押しまくられて、痛かった。で、我慢してたら終わった後、「痛いの強いですね、男のくせに」といわれた。
余計なことはいわない方がいいですね。

投稿: jun | 2018年8月24日 (金) 20時05分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 入院して考えたこと:その(4):

« 『ショック・ウェイブ』の楽しさ | トップページ | 『カメラを止めるな』はおもしろいか »