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2018年8月20日 (月)

入院して考えたこと:その(3)

入院日が近づくと不安が増した。「まだ断れる」とも思うが、一度延期しているし、術後にゆっくり休みが取れる夏休みがいいに違いない。直前に関西で1週間集中講義をしていたこともあって、あっという間に手術の日はやってきた。

手術着に着替えて手術室に入った瞬間に「ヤバい」と思った。テレビや映画で見る、高い天井からライトが照らされた本格的な外科手術室だ。何となく小さな穴をあけて内視鏡を使って棒の先でいらないものを取るイメージを持っていたが、そのしつらえや人の多さはそんなものではない。

そうこうしているうちに点滴の針が刺されて、麻酔薬が入ると眠ってしまう。気づいたのは「こがさん、終わりましたよ、起きてください」と言われてから。だいたい2時間後くらいか。それから自分の部屋に運ばれた。

地獄が始まったのはそれから。まず、男性器には管がはめられていて、とにかく痛い。さらに両足は妙なマッサージ器で縛られていて、それが毎分ごとに締め付ける。左手には点滴、口には酸素マスク。徐々に手術後の痛みが沸き上がる。枕を使ってはいけないのもつらい。

これが昼の12時頃で、生きた心地がしなかった。午後3時に酸素マスクが外されて、少しだけラクに。しかし足の縛りが外されたのは翌朝の9時だし、尿管は11時頃。とにかく長い、つらい夜だった。

顔からは汗が吹き出た。頭の下にタオルを置くことを思いつき、看護師に頼んで2、3時間おきに変えてもらった。夜勤の担当の看護師は幸いに親切で、夜の10時頃、氷枕を使ったらと提案してくれた。以降はそれを3、4時間おきに2度変えてもらってずいぶん楽になった。

11時過ぎ、尿管が外されて看護師に手伝ってもらいながら立ち上がり少し歩いた。しばらくして点滴を持ちながら自分でトイレに行き、その後に水を飲んだ瞬間に生き返った気がした。少なくとも大人になってから、身体的に一番苦しい時間を過ごした。この苦しみが事前にわかっていたら、手術はしていない。

その日の昼から食事が出た。お粥でも来るかと期待していたら、まったく普通の食事。まだ点滴が続いていたこともあって、あまり食べられない。午後4時半に点滴が取れて、夜には自分でタオルで全身を拭いた。髭も剃った。

一番苦しんだのは、時間的には正午から翌日の11時までの一日たらずだが、本当につらかった。自ら手術を選択した自分を本当にバカだと思った。

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