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2018年9月19日 (水)

『Sunny 強い気持ち・強い愛』に考える

帰国して最初に映画館で見たのは、『Sunny 強い気持ち・強い愛』。オリジナルの韓国版『サニー/永遠の仲間たち』も見ていないが、大根仁監督なので見たいと思った。

この監督は『バクマン。』を始めとして、どれも楽しませる。そのおもしろさは従来の映画と違って、テレビ的な瞬発力に満ちていて、同世代の『銀魂』の福田雄一監督に近いか。どこか21世紀的な新しい映像といったらいいのか。

見ながら思ったのは、大根監督はまるで最近の韓国映画のように、最後の最後まで楽しませる才能を持っているなということ。全く違う映画だが、『タクシー運転手』を思い出した。

映画は40代の主婦の奈美(篠原涼子)が、偶然に病院で高校時代の友人、芹香(板谷由夏)と会うところから始まる。芹香はガンであと一月の命で、彼女の希望で高校時代の仲間たちを探し集める。学校に恩師を訪ねて梅(渡辺直美)の所在がわかり、あとは私立探偵(リリー・フランキー)に頼む。

探偵の調査で、怪しげな医者と結婚した裕子(小池栄子)とバーの雇われマダムの心(ともさかりえ)の所在がわかるが、彼女たちはみんなと会いたがらない。高校生でモデルをしていた奈々(池田エライザ)はわからずじまい。

その再会に、高校生時代の日々が挟み込まれる。90年代半ばのいわゆるコギャルブームで、安室奈美恵を真似た「アムラー」たちが、ルーズソックスに長い髪で大騒ぎする。私はその頃はたぶん一生で一番仕事をしていたので、「コギャル」がさっぱりわからなかった。

もちろん安室奈美恵も小室哲哉も小沢健二もよくわからない。よく流れていたから曲に覚えはあるが、どれが誰だか区別がつかない。だから映画で描かれる90年代の世界には、全く懐かしさを感じなかった。

劇場の帰りのエレベーターで「泣いた」「ガン泣き」という声があちこちから聞こえた。見ると40歳前後の女性たちだ。私には彼女たちがまるで宇宙人のように見えた。それくらい「コギャル」は遠い存在だった。

それでも40代になった彼女たちが、高校生時代の自分たちと会ったり、一緒に踊るシーンは抜群に楽しい。全く共感しないのに、見ていてホロリと泣くシーンさえあった。

劇場の盛り上がりに大当たりかと思ったが、興収16億円の『バクマン、』を下回るようだ。何が当たるかは本当にわからない。

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