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2018年10月 1日 (月)

日本統治下の韓国映画:番外編その(2)今の映画

日本統治下で作られた映画ではなく、最近の映画でこの時代を扱った2本をDVDで見たので書いておきたい。1本はイ・ジュニク監督『空と風と星の詩人 尹東柱の生涯』(2016)という白黒の映画。

尹東柱(ユン・ドンジュ)は韓国では国民的詩人として有名らしいが、彼が日本統治下の朝鮮で詩人を目指し、宗氏改名が始まって日本に留学する様子を描く。

『お嬢さん』もそうだったが、最近の韓国映画は日本統治時代を描いても、日本人=悪人という決めつけをしないものが多い。この映画もそうで、主人公が尊敬する日本の英文学の教授は極めて紳士的だし、主人公を一途に慕う日本の女性も出てくる。

主人公を演じるカン・ハヌルはなかなかのイケメンで、韓国では有名らしい。映画は彼とその従兄の宋夢奎(ソン・モンギュ)の友情を中心に描く。一緒に日本に留学するが、モンギュは独立運動を主導したとして逮捕され、次にドンジュも逮捕される。

彼らは福岡の刑務所に入れられるが、映画はここでのドンジュへの尋問から始まり、留学前から遡って詩人の人生を語る。白黒の落ち着いた映像に込められたドンジュの熱い思いと、日本の軍隊の横暴さに胸が痛くなった。この映画は劇場未公開。

朴壽南(パク・スナム)監督の『沈黙 立ち上がる慰安婦』は、在日の朴監督が慰安婦問題を追いかけた数十年を描く。映画は、90歳になるという元慰安婦の李玉先(イ・オクソン)さんを監督が訪ねるシーンから始まる。イさんは90年代から日本を訪れて賠償を訴えた元慰安婦たちの中心的存在だった。

そして90年だから最近までの日本での活動の映像が写る。チマチョゴリを着て音楽を鳴らして銀座で訴えたり、総理官邸前で警察に排除されたり。あるいは若い日本人を相手に、自分たちが15歳や17歳でされた事実を語る。その合間に1980年代に沖縄に住む韓国人の元慰安婦を訪ねた映像も混じる。イさんたちが1日に15人から20人の兵隊を取らされて、子供が生めなくなってしまったという話は重い。

元慰安婦たちは、いわゆる挺隊協(=日本大使館前に慰安婦像を作って毎週デモを行う「韓国挺身隊問題協議会」)とも一線を画しているが、1995年のアジア女性基金に政府の謝罪がないと反対する点では変わらない。そして2015年に朴槿恵(パク・クネ)前大統領による慰安婦問題日韓合意にも不満を示す。いずれにしてもその合意の前に、多くの慰安婦たちが亡くなっている。

日本の朝鮮支配も慰安婦問題も、根本的な日本人の精神が今も変わっていないことに問題があるのではないかとも思う。

この2本は、12月に私の学生たちが渋谷のユーロスペースで開催する映画祭「朝鮮半島と私たち」で上映される。チラシも今週半ばには映画館に並ぶはず。


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