『あみこ』の1点突破
20歳の女性が作った映画『あみこ』をようやく見た。ベネチア国際映画祭で『斬、』主演の池松壮亮さんと話した時に、「いいですよ」と聞いて見たいと思っていた。理由はほかにもある。監督の山中瑤子さんは、私の勤務する大学の映画学科を半年で辞めたらしい。
つまり、1年生の半年で行かなくなり、仲間を集めて俳優をネットで募って映画を作り始めた。それがぴあフィルムフェスティバルに入選し、今年2月のベルリン国際映画祭を始めとして世界各地の映画祭に出たという。
さて映画はどうだったというと、「ヘタだけどおもしろかった」。とにかく、あみこを演じる春原愛良がものすごい存在感を見せるだけの一点突破型。いるいる、こんなヘンな女子高生という感じ。あみこは同級生のあおみ君が急にいなくなってしまい、ショックで教室に倒れ伏す。
映画は彼に出会った1年前から映し出す。偶然に会って話をしてみたら、妙に気が合う。「365日に一度はどうなってもいいと思う日が絶対ある」で意気投合。その後はあみこは街で彼に会っても気になって仕方がないが、あおみ君はそうでもなさそう。
そしてある時あみこは、卒業した先輩の女性のもとに彼がいると聞く。友だちに金を借りて列車に乗り、あおみ君に会いに行く。いつまでも先輩を待ち伏せて、とうとうあおみ君の居場所を突き止める。
映像はコマ切れでつながらないけれど、それが不器用でありながら実験的にも見えて、あみこの心情と行動にぴったり合う。急に知らないカップルと踊りだしたり、道で叫び出す男に同調して一緒に歩いたり。まるでゴダールの初期短編のような思いつきの映像が楽しい。
先日レイトショーは見ないと書いたが、ポレポレ東中野の21時からのレイトで見た。66分なので22時過ぎに終わるからだが、いつもの習慣に反して全く眠くならなかった。
さてこの監督はどうなるか。このままどこかにいなくなるかもしれないが、いいプロデューサーがうまく導いたら、きっと大成すると思う。
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コメント
山中監督、古賀先生の講義はとても面白かった、と言っておられました。
投稿: 石飛徳樹 | 2018年10月 5日 (金) 07時59分