東京国際映画祭についてもう一度
先週火曜日にWEBRONZAに東京国際映画祭の総評を書いたら、映画祭内部の方から複数の反応があった。いつものように事務局には取材していないので、当然知らないこともある。今回は昨年に比べて微妙な変化があったようだが、教えられて知った次第。
まずこれは日経の総評の3回目にもあったが、映画祭の予算が10億円から9億円に減ったこと。これによって何が起きたか。よく見ると、部門によって作品本数が減っている。以下、2016、2017、2018と調べてみた。
コンペ:16-15-16(イスラエル特集枠1本含む)
アジアの未来:10-10-8
ワールド・フォーカス:22-19-18(イスラエル特集枠4本含む)
イスラエル特集枠というのは今年は「イスラエル映画の現在2018」のマークが付いている作品で、これはイスラエル政府が字幕代など全費用を持ったということだろう。コンペ作品にこういうひも付き作品はどうかと思うが、これは別の話。
まず、「アジアの未来」部門は8作品に減っている。コンペの15本前後もほかの国際映画祭が20本前後なのに比べたら少ないが、8本でコンペはかなり寂しいのではないか。
それから、2020年までは国際交流基金の予算が億単位で来ているが、2011年になるとそれが一挙になくなると聞いた。当然、「クロスカットアジア」部門はなくなり、「アジアの未来」は5本程度になるかもしれない。
私は前から、東京国際映画祭で「特別招待」部門と「アジア」部門をなくすべし、と書いている。「特別招待」については今日は省く。「アジア」部門ができたのは、1980年代半ばから90年代まで、まだアジア映画が世界的に極めてマイナーだった頃で、中国語圏と韓国、イランくらいしか秀作が知られてなかった。
今やタイ、フィリピン、マレーシア、シンガポール、ミャンマー、インド、カザフスタンなどあらゆる国から秀作が飛び込んでくる。そしてそれらの多くは三大映画祭を始めとする欧米の国際映画祭には入りきれない。そんな映画を中心にしたメインコンペを作れば、東京国際映画祭の最大の課題の一つである、「ワールドプレミア」(=世界初上映)も集まるだろう。
もともと東京でやるのにアジア特集が別途あるのはおかしい。カンヌで欧州特集があるようなもので、いかにも後進性を表している。カンヌが欧州中心なら、東京のコンペはアジア中心になればいい。そしてそれは来年から始める必要がある。予算がなくなってからでは遅い。
ところで、今週始まる「東京フィルメックス」は、東京国際映画祭で審査委員長をしたブリランテ・メンドーサの新作を含め、欧州の国際映画祭の受賞作品が勢揃いしている。これは東京国際映画祭で「ワールドフォーカス」や「アジアの未来」の本数が減ったからだろう。
そんなこんなを考えると、やはり、10月と11月に同じ東京で2つ国際映画祭をやるのはおかしいかも。
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