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2018年12月29日 (土)

母のお見舞い:その(6)

また母の見舞いに行った。病状が悪化した11月末から4回目。行くのに、東京の自宅から病院までドア・ツー・ドアで4時間半から5時間半かかる。4時間半で着くのは、飛行機が全く遅れず、福岡空港からの特急などの接続がうまく行く時だけ。

集中治療室で会えるのは13時、17時、19時から20分のみ。そのうえ、月、水、金は午後いっぱい人工透析を始めたので、面会は難しい。だから5時間かけて行って、20分だけ会うことになる。

人工透析が始まったら、目が普通に開くようになった。そうすると、だいぶ違う。学生企画の映画祭が新聞各紙に取り上げられたので、私の写真が写った記事を見せると、ニコリと笑う。

ここ数日は調子がいいようで、ある朝起きて看護師に「朝ご飯は?」と聞いたらしい。私が「写真を撮るけん、笑わんね、笑わんね」と何度も言ったら「なんば笑うと」とかすかに言った。さらに姉と前日の晩に酒を飲んだ話をすると「あんまり酒飲みなさんな」と言って目をしかめた。

10日ほど前は全く言葉は出なかったのに。もちろん体は全く動かせないが、少なくとも脳は前より機能している。しかし長くは続かない。2、3分目を開けていると、疲れたように目を閉じる。いろいろ話しかけると、しばらくしてまた目が開く。

前に書いたと思うが、私には姉が4人いる。近くに住む姉は毎日行っているが、あとの3人は長崎、熊本、千葉からやってくる。地元の姉以外の4人がまるで交代のように週に2、3回は誰か行っていることになる。何年も会っていない姉たちと病室で出くわすのも楽しい。

まるで母の力でみんながおびき寄せられて、50年ぶりに兄弟が仲良くなったような感じ。いまでは5人でLINEラインのグループを作り、母と一緒の写真を送ったり情報を交換している。千葉に住む姉は看護師なので、常に冷静な判断を示して助かっている。

5時間かけて20分を過ごし、また5時間かけて帰る。その途中で姉たちに報告を送る。ああ、時間がないと思いながら、実はそのような時間を楽しんでいるのかもしれない。

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