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2019年1月11日 (金)

映画賞やベストテンについて

最近ゴールデングローブ賞が発表されて、ドラマ部門の最優秀作品賞が『ボヘミアン・ラプソディ』でのけぞった。ノミネートされていた『アリー/スター誕生』の方が何倍もいいと思っていたが、こちらは興行も今一つのようだ。これから邦画も各映画賞が発表になる。

報知映画賞は昨年末に出ているが、作品賞が白石和彌監督の『孤狼の血』で、監督賞が『日日是好日』の大森立嗣監督。どちらも好きな作品だが、私にとっては一番ではない。

自分がWEBRONZAで年末に選んだのは以下の通り。

1 『シェイプ・オブ・ウォーター』(ギレルモ・デル・トロ監督)
2 『ROMA/ローマ』(アルフォンソ・キュアロン監督)
3 『ファントム・スレッド』(ポール・トーマス・アンダーソン監督)
4 『ワンダーストラック』(トッド・ヘインズ監督)
5 『寝ても覚めても』(濱口竜介監督)

次点:『BPM ビート・パー・ミニット』(ロバン・カンピヨ監督)、『スリー・ビルボード』(マーティン・マクドナー監督)、『15時17分、パリ行き』(クリント・イーストウッド監督)、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(スティーブン・スピルバーグ監督)、『万引き家族』(是枝裕和監督)、『ニッポン国VS泉南石綿村』(原一男監督)、『孤狼の血』(白石和彌監督)、『菊とギロチン』(瀬々敬久監督)、『きみの鳥はうたえる』(三宅唱監督)

特別枠:国立映画アーカイブのオープン

ほかにも『日日是好日』などよかった映画は多いけど。今年は邦画は豊作だったと思うし、外国映画を重視しているわけでもないが、個人的に素直に書くと、まあこんなところ。

たぶんこの中でどの映画賞にも誰の個人的なベストテンにも入らないのは、『ワンダーストラック』。これは始まった瞬間から波長が合って、試写が終わっても興奮が止まらなかった。劇場でも見たが、もっともっと見たいと思った。完全にツボにはまったと言うべきか。

私の大好きなニューヨークの自然史博物館が舞台なのがまず第一。そのうえ、最近関心のある「驚異の部屋」(欧州の15~18世紀の王室で流行った)の再現が核にあることもあった。私には評判の良かった同じ監督の前作『キャロル』以上に心をつかむ映画だった。

ある程度の量の映画を見ている者同士は、だいたい8割方の映画の趣味が一致する。ところが2割くらいは全くわかりあえない。それが映画のいいところだろう。

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コメント

私も「ワンダーストラック」ド・ハマりました。
何度でも観たい作品です。

他でもどこかベスト10に選ばないかな...

投稿: onscreen | 2019年1月12日 (土) 07時51分

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