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2019年4月 4日 (木)

『記者たち』がほぼ満員

大学でゴタゴタがあったので、気分転換になる映画を見ようと考えて、ロブ・ライナー監督の『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』を劇場に見に行った。平日昼間なのに、ほぼ満員だったのに驚いた。自分もそうだが、それほど暇な人は多いのか。

あるいは私と同じように、映画らしい映画を見たい、という人が多かったのか。実際に見てみても、ベテラン監督らしい安定感溢れる演出で、娯楽性と政治的メッセージが適度に混じり合っていた。

「9.11」直後の通信社「ナイト・リッダー」のワシントン支局が舞台。監督自身が演じている支局長のウォルコットは、部下のランデー(ウディ・ハレルソン)とストロベル(ジェームス・マーデン」と共に、米政府がイラクを「悪の枢軸」として攻撃しようとする動きを不審に思った。彼らはその根拠を探るために、何人もの情報源に接触する。

名前を出せない政府高官や外交官や専門家たちの証言を得て、「ナイト・リッダー」は立て続けにスクープを打つ。ところが「ニューヨーク・タイムス」や「ワシントン・ポスト」は政府寄りの情報を先に得て、記事にしてゆく。

ウォルコットにもランデーにも妻がいて、若いストロベルは恋愛中。さらにイラク戦争で車椅子生活になった兵士の姿も挟み込まれる。あるいは後半からベトナム戦争取材で名を挙げたギャロウェイ(トミー・リー・ジョーンズ)も情報を寄せる。現場の記者たちの戦い以外のそうしたシーンも巧みに混ぜながら、「戦う男たち」のカッコいい姿を描いてゆく。91分と短めだったこともあり、一挙に見てしまった。

もちろん我々は見る前から「大量破壊兵器」が結局存在しなかったと知っているし、これらの記者たちが勝利することもわかっている。出てくる「悪人」はブッシュ大統領を始めとする現存する人物のニュース映像ばかりで、記者を始めとする登場人物たちはみんなカッコいい。

見終わると、ちょっと単純すぎるかもと思う。でも所詮映画なのだから、それもまたいい。

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